雌雄を決する刻が来た。

 9月22日、来年のパリ五輪出場権を懸けた「バレーボール女子・ワールドカップ2023」の第5戦が東京・代々木第一体育館で行なわれ、世界ランキング8位の日本代表は同14位のベルギー代表に3-0(28-26、25-18、25-14)で勝利し、開幕5連勝を飾った。
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 第1セットは一進一退の攻防が続きジュースまでもつれ込む接戦に。だが、最後は古賀紗理那、井上愛里沙の強打などで日本が先取した。続く第2セットは、開始からいきなり日本が5連続得点。中盤からリードを広げ、このセットも連取した。

 第3セットは、尻上がりに調子を上げてきている古賀が躍動。相手を崩す効果的なサーブが決まると、ブロック、バックアタックなども飛び出し、攻守で主将が躍動。ベルギーを突き放し、一気にストレート勝ちを決めた。

 参加8か国唯一のオールストレート勝ちというパーフェクトを継続している日本。今日のトルコ戦、そして明日のブラジル戦を控えるが、トルコに3-0か3-1で勝てば、最終戦を待たずに1992年バルセロナ大会以来となる五輪前年での出場権を獲得する。

 まさに運命の大一番を迎える日本代表。しかし、今日対峙するトルコ代表は最大の難敵と断言していいほどの相手である。世界ランキングは堂々の1位をキープし、今年6月に開催されたトップ16が集結した最強国決定戦「ネーションズリーグ(VNL)」を初優勝。今大会ここまで日本と同じ5戦全勝だが、前日には同ランク3位のブラジル代表をストレート(25-21、29-27、25-19)で下しており、完全に勢いに乗っている。

 特に高さ、スピード、パワーを兼ね備えた大エース、メリッサ・バルガスには警戒が必要だ。元キューバ代表で、2021年にトルコ国籍を取得した23歳はVNLでMVPを受賞。完勝したブラジル戦でも、身長194センチから繰り出す強烈なスパイクを次々とコートに叩き込み、南米の雄を蹴散らした。
  日本に勝てばパリ五輪の出場権を掴むトルコ代表。無論、母国メディアも相当気合いが入っている。ブラジル戦を速報で伝えた日刊紙『Milliyet』は、「トルコは驚異的な快進撃を続けている。VNLと欧州選手権で優勝を果たしたチームは、強力なライバルであるブラジルを3-0で勝利し、オリンピック出場への大きなアドバンテージを得た」と五輪出場に限りなく前進したと喝采を送った。

 そして、次戦の相手が開催国の日本であると伝えたうえで、「五輪切符まで、あと1勝となった。トルコならできるはずだ」と必勝を期待している。

 トルコのスポーツ放送局『TRT Spor』はブラジル戦の快勝を見届けると、「トルコはオリンピックに向けて、大きな一歩を踏み出した」と最大の山場と見ていたビッグマッチを制したことに歓喜。「VNL覇者と欧州王者である世界ナンバー1の我が代表チームは第6戦で開催国の日本と対戦する。私たちの選手たちは、この試合に勝てばパリへの出場が保証される」と論じ、日本を格下と見ているようだ。

 下馬評では日本代表の苦戦が予想されるが、今年のVNL予選ラウンド(タイ大会)ではフルセットの末、日本がトルコを撃破している。はたして、その再現はなるのか。頂上決戦は、午後7時25分に開始される。

構成●THE DIGEST編集部

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