現地時間2月11日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン後半7節が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するアリアンツ・ミラノは、パッラヴォーロ・パドヴァとアウェーで対戦し、セットカウント2-3(23‐25、25-22、22-25、25-21、16-18)で白星を逃した。

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 17試合(全22試合)を終えて9勝8敗で5位のミラノは、プレーオフへ4位以内での出場へ向け、大切なレギュラーシーズン終盤に、ミドルブロッカー(MB)の主将マッテオ・ピアノ(イタリア)が左膝半月板損傷のため手術を受け、復帰は3月初旬の見込み。また、石川と対角を組むアウトサイドヒッター(OH)のマテイ・カジースキ(ブルガリア)も、ふくらはぎ負傷で前節から離脱しており、万全とは言い難いチーム状況だ。

 東京グレートベアーズのリベロ谷口渉が今季にレンタル移籍中のパドヴァは、5勝12敗と黒星が大きく先行。12チーム中10位と低迷し、後半戦の白星は5節のモデナ戦1つのみで厳しいシーズンを送っている。そんな中、イタリア出身のOH2選手が急成長中。ミラノで司令塔を務めるパオロ・ポッロの実弟、19歳のルーカは直近2試合でチーム最多得点をマークするなど頭角を現しており、トップリーグ2シーズン目のダビデ・ガルディーニ(イタリア)が昨季の3倍にあたる得点を挙げる躍進を見せている。

 石川は前節に続きキャプテン代理を任され先発出場。ともに、セッターのポッロ、OHオスニエル・メルガレホ(キューバ)、MBにアグスティン・ロセル(アルゼンチン)とマルコ・ヴィテッリ(イタリア)、オポジット(OP)はペータル・ディルリッチ(クロアチア)を起用して2019-20シーズンに所属した古巣との対戦に臨んだ。
  パドヴァのエースでスタートした第1セットは、続いてサービスラインに立った石川がお返しとばかりにエース2本に加え、相手の守備に圧をかけてブロック2本を引き出し4点のリードを奪う。しかし、中盤の入りからレセプションの安定を欠いたミラノは、3連続ブレークを許した後、メルガレホと石川がブロックに捕まり形勢が一転する。僅差で追う終盤には、MBファビアン・プラク(オランダ)のサーブでレセプションが再び妨げとなり連続失点。相手のセットポイントを2度回避するに留まり、試合を先行された。

 序盤を優位に進めた第2セット、またしてもプラクのサーブで4点のビハインドを負う。だが、終盤にかけて石川がサーブで流れを引き寄せる。自身3本目のエースを含む威力抜群の打球で攻め込み一気に逆転。さらにロングラリーを技ありのブロックアウトでものにしてリードを4点に広げると、相手の反則でセットを奪い返した。
  ところが、第3セットもレセプションに苦しみ2点差を追う展開が続く。終盤に守備で追い上げを演出した石川が1枚ブロックを炸裂させて22-22。だが、レフト弾でサイドアウトを奪ったガルディーニに2連続エースを決められて逃げ切られた。

 第4セットは序盤の劣勢をロセルのエース2本を含むサーブで巻き返して逆転。そこから、リードを維持したままフルセットへ持ち込んだ。

 第5セットは、コートチェンジ以降も一進一退の攻防が続く。石川のレフト攻撃で3度にわたりマッチポイントを握ったミラノだったが、ポッロ家三兄弟の次男ルーカの2打でパドヴァに勝点2のチャンスを与えると、最後は頼りの石川のアタックがブロックに阻まれ不本意な黒星を喫した。
  勝点1に甘んじたミラノは6位へ後退。同日にペルージャをフルセットで下して勝点で並んだヴェローナが勝利数で上回り5位へ浮上した。

 石川はチーム最多の20得点(アタック16、エース3、ブロック1)を記録。敗れたものの、マルチな活躍でイタリアリーグ公式戦(レギュラーシーズン、プレーオフ、コッパイタリア)通算2500得点(2514得点)を達成した。谷口は第1セットに途中出場。中央大学の先輩にあたる石川とネットを挟んで同じフロアに立った。

 国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball TV』で解説を務めたパドヴァの下部チーム(U15)のアシスタントコーチ、アレッサンドロ・サルマーソ氏は、ブロックを使った直後に、ネット下で拾いつないだボールを自ら叩いて得点に変える石川のパフォーマンスに、「マエストロ!」「イシカワ一人ですべて完結」「間違いなく世界で3本の指に入る正確さ」と絶賛。攻撃時にスペース、相手のポジションやタイミングを見極めて放つ強打やフェイントに、「ハイレベルなプレーを容易にやってのける」「難しいことが簡単に見えてしまうから凄い」と背番号14のバレーボール偏差値の高さに感嘆した。

 ミラノの次戦は日本時間2月15日午前4時開始予定の8節。高橋藍が所属する7位ミント ヴェロ バレー・モンツァとのホーム戦に挑む。

構成●THE DIGEST編集部

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