バレーボール男子日本代表の主将・石川祐希が所属するアリアンツ・ミラノのロベルト・ピアッツァ監督がイタリアリーグ運営の生配信番組に出演し、チームの要である“ユウキ・イシカワ”の今を語った。

【PHOTO】しなやかに舞う! 日本男子バレーが誇る”エース”石川祐希の厳選メモリアルフォトを一挙公開! ホームのミラノが2位ペルージャから今季2勝目を奪い取ったレギュラーシーズン最終日、ピアッツァ監督は試合後に本拠地アリアンツ・クラウドの一室からオンラインで番組に登場した。冒頭、プレーオフに6位で出場を決めたペルージャ戦を振り返り、チーム状況や選手起用についてコメントした後、背番号14の話題へ。

  中央大学時代の石川が、モデナに加入してイタリアリーグの門を叩いたのは、2014‐15シーズン。以降、ラティーナ(現チステルナ)、シエナに籍を置き、パドヴァで1シーズンを過ごして翌2020‐21シーズンにミラノへ移籍した。

 90年代黄金期のイタリア代表で大砲として活躍した司会のアンドレア・ゾルジ氏は、「トッププレーヤーと呼ばれる選手の一人で、秀抜、優秀、そして好青年でファンタスティックな“イシカワ”について話を聞かせてほしい。タッグを組んで4シーズンになるあなた(ピアッツア監督)の下で、素晴らしい成長を遂げているね」「一段と向上したところは?(これほどの成長は)予想外だったか?それとも、影響力を持った絶対的なアスリートに変貌することは想定内だったのかな?」と尋ねた。

 すると指揮官は、「モデナ加入の直後からユウキの動向を追っていたんだ。大学があって間が空いたが、イタリアに戻って来てしばらくしてから、ミラノが特別な補強を望んだことでユウキに白羽の矢が立った」と明かすと、「(技術面の向上に関して)驚かされたことはそれほど多くはない。なぜなら、(ユウキには)東洋の国の特徴的な文化がベースにあるからだ。つまり、何よりも先に実践するということ。私がなにかを提示すると、間髪を容れずに理由を聞いてきたり意見を述べる選手がいるが、(東洋から来た)彼らはまずトライする。それは、(向上する上で)多大な強みに他ならない」と石川の日頃の取り組み方を知る監督には、飛躍は驚きではないのだという。
  一方で、「驚かされたのは、ここの所のユウキは日本代表での影響力と確固たる存在感をついにミラノでも発揮していることだ。でも、まだ100%を出し切っていないと思っているよ」と述べた。
  さらに、「ユウキの人間性の進化」を強調。「元より、頭脳明晰だが、それはコート上に限ったことではない。試合で賢いプレーができても無知なスポーツ選手は大勢いる。ユウキはそれとは一線を画し、人として賢い。そして、伝えなくてはいけない点は、バレーボール選手として天賦の才を持っていることさ」と力説した。

 最後に、「チームをまとめあげる統率力には感服させられている」と述べ、日本代表を世界4位へけん引したリーダーシップを絶賛した。

 監督の発言がまさに凝縮されていたのが、ペルージャ戦だった。先行の後に2セットを失うも、フルセットへ持ち込み最終セットで相手を圧倒して起死回生の勝利。落とせば7位のままプレーオフを迎えることになった土俵際の第4セット、背番号14は開始直後に叩き込んだエースでミラノを高揚させると、その一挙手一投足が発する熱量でチームメートを奮い立たせ、逆転劇を引き起こす結束をもたらした。

 質問が及んだ石川の去就については、「(メディアが)報じている以外に新しいことはなにもない」とコメント。プレーオフ開幕を数日後に控える選手とチームへ、配慮が窺える対応に徹して明言を避けた。

 レギュラーシーズンを6位で終えたミラノの次なる舞台はプレーオフ。初戦の準々決勝第1戦(日本時間3月7日午前4時30分開始予定)で3位ガスセールズ ブルーエナジー・ピアチェンツァと敵地で激突する。昨季の4強入りを超える成績を残せるか? 石川の活躍に期待が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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