今年のプロ野球で期待できそうな“助っ人”は一体だれか。3月29日の開幕を前に、セ・パ両リーグの外国人を対象に要注目の投手と野手のそれぞれ3人+次点を選出。パ・リーグは次のような顔ぶれとなった。

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パ・リーグ投手の注目選手

アンドレス・マチャド(オリックス)
過去3年で合計135試合に投げていた、バリバリのメジャーリーガーは3月5日の中日戦で159キロを計時。球団の外国人投手としての最高記録として話題になった。昨年も4シームの平均球速が155キロに達していた速球派なので、それもまったく驚きはない。しかもただ速いだけではなく、チェンジアップの被打率も.196に抑えていた。ただでさえ層が分厚いオリックスのブルペン陣に、もう一人頼りになる投手が加わったようだ。

アルバート・アブレイユ(西武)
球速に関してはこちらもマチャドに負けていない。昨年はヤンキースで45試合に登板し、2シームが平均157キロを記録。一昨年には159キロを出したこともあった。スライダーの切れも素晴らしく、昨年は被打率.109に抑えていた。それでも日本にやってきたのは、59イニングで35四球を出したコントロールの不安定さが理由だった。この点さえ解消できるなら、松井稼頭央監督が想定しているクローザーの役割も十分務まるだろう。
 リバン・モイネロ(ソフトバンク)
日本球界最高のリリーバーは今季から先発に転向。調整も順調に進んでいるようだ。ピッチング自体には何の不安もないので、スタミナ面が唯一の課題と見られていたが、3月17日の西武戦では6.1回、104球を投げ2点に抑えた。もっとも初回だけで35球を費やしたように、まだ先発時のリズムはつかめていない様子。その点を少しずつクリアしていけば、千賀滉大の退団後不在だったエースとして、ホークスを4年ぶりのVへ導けるだろう。

次点:コディ・ポンセ(楽天)
過去2年は日本ハムに在籍。陽気な性格でチームに馴染んでいたが、成績は防御率3.47こそ悪くなかったものの、登板数は22年が14試合、昨年も開幕早々に太腿のケガで離脱。復帰したのは後半戦からと、ケガの心配がつきまとう。楽天投手陣は松井裕樹のメジャー移籍にともない、則本昂大がブルペンに回って先発の駒不足が懸念されている。投球内容の良さは大前提として、1年間しっかりローテーションで回ってくれることも望みたい。
 パ・リーグ野手の注目選手

グレゴリー・ポランコ(ロッテ)
昨年の本塁打王は、今季も活躍が期待できると言うより、活躍してもらわなければ困る存在だ。昨年のロッテは100本塁打を放ったが、うちポランコ一人で26本という孤軍奮闘ぶり。8月以降の56試合で14本を量産しており、このペースなら今季は35本に届く計算になる。チームメイトとして実績のあるソトが加わり、また巨人時代に一緒だったウォーカーが同一リーグに来たことも刺激にできれば、この数字が実現しても不思議はない。

アダム・ウォーカー(ソフトバンク)
昨年のホークスは、外国人打者の本塁打数が合計128打数で1本のみという惨状だった。これが優勝を逃した一番の理由だったと言っても過言でなく、巨人からウォーカーを取ったのは大正解だろう。オープン戦でも3本塁打は12球団トップ。守備力が壊滅的なのでセ・リーグでは外野手として起用しづらい面があったが、DHのあるパ・リーグではその心配もない。気分的にも楽になり、これまで以上に打撃成績が向上する可能性は十分ある。
 アンドリュー・スティーブンソン(日本ハム)
メジャー通算108本塁打を放った大砲レイエスのほうが実績は上ながら、オープン戦で結果を残しているのはこちらのほう。ホームランこそ1本もないが、ライナー性の打球が多く打率.353。数字以上に目につくのがハッスルプレーで、俊足で左打ちの外野手という共通項のあるラーズ・ヌートバー(カーディナルス)を彷彿させる、との声も出ている。日本ハムには出塁率の高い打者が少ないので、その方面での貢献も期待したいところだ。

次点:ヘスス・アギラー(西武)
身長190センチ、体重125キロの巨体は打席に立つだけで威圧感抜群。メジャー通算114本塁打、つい一昨年も22本打っていたのも納得できる見た目だ。オープン戦は9試合で1本だけでもヒットは出ており、また28打席で三振は5回だけと、それほど粗さも感じない。その点は、29打席で16三振とかなり苦戦している同僚のコルデロとは対照的だ。昨年も90本塁打、435得点がいずれもリーグ最下位だった西武打線の救世主となれるだろうか。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。

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