現地時間3月23日(日本時間24日、日付は以下同)、フェニックス・サンズは敵地フロストバンク・センターでサンアントニオ・スパーズと対戦。131−106で快勝を収め、今季成績をウエスタン・カンファレンス6位の42勝29敗(勝率59.2%)とした。

 サンズはデビン・ブッカーがゲームハイの32得点と躍動したほか、ケビン・デュラントが25得点、ベンチ出場のボル・ボルが13得点、エリック・ゴードンが12得点、ドリュー・ユーバンクスが10得点をマークした。

 そしてブラッドリー・ビールが、13得点にシーズンハイの12アシストで勝利に貢献。昨夏にワシントン・ウィザーズから加入したスコアラーは、平均18.1点、5.1アシストに4.1リバウンドとやや控えめな数字ながら、フィールドゴール成功率50.6%は昨季と並んでキャリアハイと、効果的なプレーを見せている。

 そんなベテランガードの活躍ぶりを、フランク・ヴォーゲルHC(ヘッドコーチ)も高く評価していた。

「彼はこのチームのために、自身のゲームを作り直している。ディフェンスでも必死になってやってくれている。ボールを封じ込めることにかけても、今ではこのチームでベストなんだ。彼はコートの両エンドでうまくやっているよ」
  純粋なポイントガードが不在の今季のサンズにおいて、本来シューティングガードのビールとブッカーがその役割を担っている。「ポイントガードとしてプレーするのは簡単じゃない。大勢がそのように思っていると思う。あるいは簡単にこなしているように見せているけど、実際はものすごくタフなんだ」というビールの言葉は、限りなく本音に近いものだろう。

 ただ、シーズンが進んでいくにつれて、チームメイトの助けもありその役割に慣れつつある。「今では彼(ブッカー)がたくさん助けてくれる。彼は頼ることができる選手であり、この役割に自信がついたんだ」とビールは語る。

 司令塔不在の歪なラインナップで戦うサンズは、4月20日に開幕するプレーオフでどこまで勝ち上がれるのか。そのカギは、デュラントでも、ブッカーでもなく、ポイントガードとして生まれ変わりつつあるビールが握っているのかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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