現地時間3月27日、ロサンゼルス・レイカーズは敵地6連戦の2戦目でメンフィス・グリズリーズと対戦。136−124で勝利を収め、今季最長の5連勝を飾った。

 前日にミルウォーキー・バックスを2度の延長の末に128−124で破ったレイカーズは、その試合で自己最長の51分52秒プレーしてゲームハイの34得点、23リバウンド、4ブロックをマークしたアンソニー・デイビスが欠場。一方で、バックス戦を左足首のケガで欠場していたレブロン・ジェームズが復帰し、勝利に備えた。

 もっとも、この日最高の輝きを放ったのは、八村塁だった。バックス戦で今季初のダブルダブル(16得点、14リバウンド)をマークした26歳の日本人フォワードは開始2分、得意のミッドレンジジャンパーで最初のフィールドゴールを決めると、第2クォーターにはストップジャンパーやカッティングからレブロンのパスをもらって豪快なダンクを炸裂。

 この日の八村はシュートタッチが冴えわたり、以降は面白いように3ポイントを沈めていく。左右のコーナーやウイングから長距離砲を突き刺し、試合を通じてなんと成功率87.5%を記録。自己ベストの7本成功でゲームハイの32得点を叩き出し、勝利に大きく貢献した。
  八村は昨季のプレーオフ、ファーストラウンド初戦でグリズリーズ相手にベンチから5本の3ポイントを含む29得点を奪っていたが、メンフィスのフェデックス・フォーラムでプレーするのは今季初。ただ、ホームに迎えた昨年11月14日の対戦時にも3ポイント3本をノーミスで決めて23得点を奪っていたこともあり、好感触を得ていたのだろう。

 最終的にチーム最長の35分37秒コートに立った八村は、リズムに乗ることができた要因はリバウンドにあったという。バックス戦に続きグリズリーズ戦でも10本をもぎ取り、2戦連続でダブルダブルを記録した八村は試合後、次のように語っている。

「リバウンドを取れたことでリズムに乗れました。僕はボールプッシュできるので、ボールに触る機会が増えればリズムに乗るのは簡単です。リバウンド面でもこの調子でやっていきたいと思います。オフェンスでもアグレッシブであり続けたいです。僕にとってはそれが普通のことですけど、レブロンかAD(デイビス)がいない場合はリムアタックとシュートの機会が増えます。それが僕にできることです」 今季の八村はシーズン平均スタッツこそチーム5位の13.1点に4.1リバウンド(同6位)、1.1アシスト(同9位)ながら、フィールドゴール成功率は53.3%で3位、3ポイント成功率は42.3%(平均1.4本成功)で2位と高確率なシュート力が光る。

 レイカーズに3ポイント成功率54.5%(18/33)を許したグリズリーズのテイラー・ジェンキンスHC(ヘッドコーチ)はこう振り返る。

「最も重要なのはペイントだった。彼(八村)はあのチームが見せた素晴らしいボールムーブメントの受け取り役だった。我々はアジャストしたが遅かった」
  ジェンキンスHCの狙い通り、グリズリーズはペイントエリアの得点こそ56−42とレイカーズを上回り、10本のスティールを奪うなど奮戦するも、ファーストブレイクの得点は15−25と劣勢で、後半はレイカーズの3ポイント攻勢に屈した。

 その火付け役となった八村に対しては、“師匠”レブロンが「ルイのシュート力とフロアを広げてくれる能力は俺たちにとってかなり大きい。それに今夜の彼はずっと集中し続けていた」と“弟子”の働きを称賛。

 レイカーズは八村のほか、レブロンが23得点、14リバウンド、12アシストのトリプルダブル、ディアンジェロ・ラッセルが23得点、トーリアン・プリンスが15得点、ジャクソン・ヘイズとスペンサー・ディンウィディーがともに14得点、7リバウンド、オースティン・リーブスが13得点、11アシストとバランスの良い攻撃を展開した。

 この勝利で41勝32敗(勝率56.2%)としたレイカーズは今季最長の5連勝。ウエスタン・カンファレンスで9位につけており、まずは8位サクラメント・キングス(42勝30敗/勝率58.3%)との1.5ゲーム差を縮めていきたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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