F1第4戦の日本グランプリで、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は10位入賞を飾り、F1キャリア4年目にして、ついに母国レースでポイントを獲得してみせた。
  予選ではQ2でチームメイトのダニエル・リカルドを0.055秒上回って10番手に入り、3戦連続のQ3進出を果たすと、決勝ではスタートに失敗して2つ順位を落としたが、リカルドらのクラッシュによる再スタートで上手いリカバリーを見せると、幾つかのオーバーテイクやチームの見事なピット作業などによってトップ5に割って入り、鈴鹿の大観衆を沸きに沸かせている。

 2012年の小林可夢偉(当時ザウバー)以来となる日本人選手の母国レース入賞を、各国メディアは高く評価。英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、10点満点の採点で「8.5」を与え、「ポイントを獲得した全てのドライバーの中で、彼が最もホームの観衆に喜びをもたらした。ユウキは週末を通して母国のサポートを活かし、予選ではQ3に進出し、決勝では10年以上ぶりにホームグランプリでポイントを獲得した日本人ドライバーとなった」と伝え、さらに以下のように続けた。

「レースでは確かなパフォーマンスを発揮。スタートで12番手に後退した後、トップ10に再び入るために一連の優れたオーバーテイクを披露した。終盤ではランス・ストロール(アストンマーティン)のようなドライバーたちを抑え、この日のパフォーマンスに相応しい1ポイントを獲得した」

 同じく英国のモータースポーツ専門サイトである『CRASH』も同採点で、寸評は「角田のドライバーとしての評価は、彼が母国で素晴らしいドライブを見せたことにより、さらに高まっている。予選Q3進出とポイント獲得――これ以上、彼にできることはほとんどなかった」と、ポジティブな内容で占められている。

『TOTAL MOTORSPORT』は、「予選からの順位維持は容易なことではないはずだが、ホームレースの角田は、再びRBのために素晴らしい週末を過ごした。以前の彼は、短気な性格の持ち主としてパドックでは知られていたが、この日本人若手は信頼できるドライバーへと成長し、印象的なパフォーマンスを発揮した」と称賛し、採点は及第点を上回る「6.5」となった。

 続いてオランダのF1専門サイト『GPBLOG』は「8」の高採点を付与し、「自国のファンの前でユウキが見せた、頼もしい週末。大きなプレッシャーの下、日本人ドライバーは予選とレースでチームメイトを打ち負かし、チームからは素晴らしいピットストップでの助けを得て、今季通算7ポイント目を獲得した」と、23歳のドライバーに賛辞を贈っている。
  スペインのF1サイト『F1i.com』も同採点で、「ユウキは日本の地元ファンにとってショーの主役であり、このRBのドライバーは前回オーストラリアGPでシーズン初のポイントを獲得した勢いを利用した。ドライコンディションでのフリー走行(1、3回目=FP1、FP3)ではいずれもトップ10に入り、雨が降ったFP2では、インターミディエイトタイヤでの走行後、タイムシートのトップに長く留まり続けた(終盤にスリックタイヤの使用が可能になったことで後退)」と綴り、さらに以下のように彼の週末を総括した。

【関連記事】「レースを台無しにする可能性もあったが…」各国メディアが角田裕毅のチーム一丸での“10位入賞”を激賞!「彼は予選Q3に進出するため、チームメイトのリカルドのすぐ前で堅実な仕事を果たした。決勝では、スタート時にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とヴァルテリ・ボッタス(ザウバー)に追い抜かれたが、リスタートでそれを取り戻している。レース後半、彼は安定感を利用して幾つかの重要な追い抜きを成功させ、そのF1キャリアで初となるホームレースでのポイント獲得に集中することができた」

 スポーツ専門サイト『sportskeeda』は、さらに高い「9」という採点を日本人ドライバーに与え、「角田にとってまた新たな印象的な出来事が日本GPでは見られた。この若いドライバーは見る者全てに感銘を与え、チームにとって必要不可欠なポイントを獲得した」と、最大級の評価を下している。

 そして、最後に英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、今回もランキング形式で各ドライバーを評価。角田は、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次いで「3位」にランクインし、寸評では以下のようにポジティブに評された。

「ユウキは再びRBをQ3に進出させ、チームメイトより速いことを証明した。彼のレースは簡単ではなく、最初のピットストップでボッタスにアンダーカットされ、その後、ザウバーを追いかける中で幾度かトラフィックに対処しなければならなかったが、2度目のピットストップで再び前に出た。その後、S字コーナーでヒュルケンベルクをアウトからパスしたが、角田は(巧みなマネジメントにより)大きなタイヤのアドバンテージを有しており、ハースやストロールを十分に引き離した。彼は『中団グループの王様』だ」

構成●THE DIGEST編集部

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