昨季まで2年連続最下位、過去11年間でBクラス10回と長期低迷が続いているドラゴンズ。一体、何がこれまでと違うのだろうか。快進撃の要因を3つ挙げてみよう。
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▼層の厚みが増した打線
何と言っても光るのは新加入の4番・中田翔の活躍だ。ヤクルトとの開幕シリーズで挨拶代わりの2本塁打を放つと、6日の広島戦では先制の犠飛を記録するなど、打線の中軸としての重責をしっかり果たしている。
「打点にこだわる男」の真骨頂を見せたのが、9日のDeNA戦だ。初回と3回、いずれも2ストライクと追い込まれた後にライト前へ技ありのタイムリー。その日の全3得点を4番のバットで叩き出した。
打線全体も、昨季より活気づいている。ここまで、1試合平均得点2.50はリーグ5位でも、すでに5本塁打。昨季は開幕10試合でわずか1本、4月終了時点でも4本(23試合)だったことを思えば雲泥の差だ。
選手層が厚くなっていることも見逃せない。中田に加え、上林誠知、中島宏之、山本泰寛と4人の新加入選手が一軍メンバーに加わり、攻撃面でのオプションは明らかに増えた。7日の広島戦では疲労を考慮して中田をベンチ外としながらも勝利。これも、選手層が厚みを増した結果と言っていいはずだ。 しかも二軍には故障中の岡林勇希をはじめ石川昂弥、ビシエド、龍空ら昨季の主力組が控えている。少なくとも、昨季のような極端な貧打に苦しむことはないだろう。
▼“勝負強い”守備陣
開幕戦のヤクルト戦こそ、守備の乱れから逆転負けを喫してしまったが、それ以外はむしろディフェンス陣の“勝負強さ”が際立っている。
三塁の高橋周平は難しい打球を何度となく処理して立浪和義監督に「守備力は12球団で間違いなくトップクラス」と言わしめ、二塁の田中幹也はアマチュア時代から定評のあるすばしっこい動きで幅広いエリアをカバー。一塁の中田も、ショートバウンドの送球をうまくすいくい上げてアウト獲得につなげている。
極めつけは7日の広島戦だ。1対0で迎えた8回裏、1死一塁の場面で松山竜平が放ったレフト線への当たりで一気に本塁生還を狙った一走・羽月隆太郎を、クッションを処理した左翼の細川成也→三塁・高橋→捕手・加藤匠の見事な中継プレーで阻止。捕ってから投げるまでの速さら送球位置、タッチのタイミングまで、寸分の隙もない、「これぞプロ野球!」と唸りたくなるよう見事なプレーだった。
開幕2試合目以降は8試合続けて野手の失策はなし。平均と比べてどれだけ多く失点を阻止したかを示すUZRでは特に優れているわけではない(12球団中7位の−0.2)ものの、堅実さと勝負どころでの好守が光る。
▼強力投手陣は今季も健在
そしてもちろん、看板の強力投手陣の存在を忘れてはいけない。10試合を消化した時点で、防御率1.94は堂々セ・リーグ1位。5〜7日の敵地での広島3連戦では、球団12年ぶりの3試合連続完封勝ちを収めた。
先発、ブルペンどちらも充実しているが、それぞれ異なる強みを発揮しているのが興味深い。
先発陣はここまでトータル61.1イニングを投げて、与えた四球はわずかに4つ。9イニングあたりにすると0.59個(!)で、これはもちろん12球団トップの数字だ。最も多いオリックスと阪神(22与四球)と比較すると、18人も「余計な走者」を許していないことになる。当然の話だが、走者の数が増えれば増えるほど失点のリスクも高まる。現在のドラゴンズ先発陣は、自らの力でそのリスクを最小限にとどめている。 一方、ブルペン陣は奪三振能力が際立つ。全打席における奪三振の割合を示すK%では22.9%で、これはセ・リーグ1位。12球団でもロッテの24.8%に次ぐ高水準だ。
これも当たり前の話だが、奪三振は守備側にとって最もリスクの少ないアウトの取り方。絶対的守護神ライデル・マルティネスを筆頭に、8回の男におさまりつつある勝野昌慶、必殺フォークで空振りの山を築く清水達也、左のサイドハンドからのスライダーが武器の齋藤綱記など、三振奪取能力の高い投手を複数擁するドラゴンズの救援陣は、相手打線にとって脅威となっている。
もっとも、まだシーズンはほんの序盤。この勢いを今後も持続し、12球団で最も長く遠ざかっているCSの舞台に立てるかどうか。ドラゴンズの真価が問われるのはこれからだ。
構成●SLUGGER編集部
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