現地時間4月21日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2023-24シーズン・プレーオフ決勝の第2戦が行なわれた。男子日本代表の高橋藍が所属するレギュラーシーズン5位ミント ヴェロ バレー・モンツァは、同2位シル スーサ ヴィム・ペルージャとホームで対戦。セットカウント3‐2(25-20、23-25、21-25、25-19、15-11)で勝利を収め、成績を1勝1敗とした。

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 モンツァは、アウェーで開催された初戦にセットカウント1-3で敗れて本拠地での第2戦へ臨んだ。先発は初戦と同じく、アウトサイドヒッター(OH)が高橋、カナダ代表のスティーブン・マーとエリック・レプキー、ミドルブロッカー(MB)にイタリア代表ジャンルーカ・ガラッシと同胞ガブリエレ・ディ マルティーノ、司令塔はブラジル代表フェルナンド・ジル クレリン(通称カショパ)。

 ペルージャも布陣を変えず。OHはポーランド代表カミル・セメニュクとウクライナ代表オレフ・プロツニスキー、オポジット(OP)がチュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBにブラジル代表フラビオ・グアルベルトとイタリア代表ロベルト・ルッソ。セッターのイタリア代表・主将シモーネ・ジャンネッリが、初戦前に切創を負い縫合したばかりの左手親指にテープを巻いて出場した。
  モンツァは第1セットに中盤まで続いた一進一退の展開をこの日好調なサーブで抜け出すと、ペルージャに1度しかブレークを許さずセットポイント。そこから粘る相手を退けて試合を先行した。

 第2セット、ペルージャは第1セット後半に投入したポーランド代表OHウィルフレド・レオンを開始から起用する。すると、今季を膝の故障で苦しんだ相手の主将はエース1本を含む7得点。終盤に巻き返したモンツァだったが、一歩届かずにこのセットを落とした。

 第3セットはペルージャが勢いのまま連取。しかし、そこまで5得点だった高橋が残る2セットで本領を発揮する。
  モンツァの2点リードで迎えた第4セット中盤の入り、高橋はバリエーションを駆使したサーブで2連続エース。さらにブレークを呼び込みリードを5点へ広げる。以降も、好守からのバックアタックやスペースを見極めた打球で追加点。さらに。ブロックアウトでセットポイントを奪うと、やや後方に上がった難しいセットに空中で合わせて相手ブロックに吸い込ませる技ありの一打で、第5セットへ望みをつないだ。

 身長185cmのセッター、カショパの前で201cmのレオンにボールを集めるペルージャに対し、モンツァはフォーメーションを変更。その最終セットでも高橋が躍動する。中央で守備から回り込んでのライト攻撃やサーブで相手の誤打を誘発してリード堅守に貢献する。後半にOHレオンのエースで同点とされるが、高橋の2段トスで逆転を阻止したOHマーが続くサーブで3連続ブレークを呼び込み13-9。握った2度目のマッチポイントを高橋がレフトからのブロックアウトで仕留めて勝利をつかみ取った。
  高橋は、チーム2位となる14得点(アタック12、エース2)を記録。イタリア公営放送『RaiSport』の解説者で、現役時代にリーグ優勝7回や欧州最高峰のチャンピオンズリーグで2回にわたり3連覇を果たした元イタリア代表のファビオ・ヴッロ氏は、背番号12のパフォーマンスに「最上級」と感服して、「シーズン最後の大舞台でタカハシの存在感は絶大」とコメント。また、現在、3位争いの真っ只中に身を置くミラノの石川祐希にも触れ、「ふたりの日本人選手が高いクォリティとテクニック、そして尊敬に値する姿勢をイタリアリーグにもたらしている」と日本代表のダブルエースを称賛した。

 第3戦は中3日の日本時間4月26日午前1時からスタート。高橋とモンツァは、スクデット(リーグ優勝)への王手をかけて再び敵地へ乗り込む。

構成●THE DIGEST編集部