今季のロサンゼルス・レイカーズはプレーオフ1回戦でデンバー・ナゲッツに敗れてシーズンが終了し、ダービン・ハムHC(ヘッドコーチ)を解任した。後任人事が注目されるなか、フランチャイズOBからはレブロン・ジェームズを選手兼HCに据えるべきだとの提案が出ている。

 レイカーズは2022年6月にハムHCと4年契約を締結。レギュラーシーズン43勝39敗の初年度はプレーイン・トーナメント経由で第7シードを獲得し、ポストシーズンに進出すると、カンファレンス決勝まで勝ち上がったが、ナゲッツにスウィープ負け(4連敗)を喫した。

 リベンジを期した今季は、12月に初代インシーズン・トーナメント王者に輝いたものの、その後は浮き沈みの激しいシーズンとなった。47勝35敗でプレーイン・トーナメントへ回り、2年連続で第7シードを獲得するも、ディフェンディングチャンピオンに1勝4敗で屈してプレーオフ1回戦敗退が決まった。

 チームは5月3日にハムHCを解任。今夏にプレーヤーオプションとなるレブロンは来季以降の身の振り方に関して明言を避けるなど、今後の動向に注目が集まっている。

 そんななか、1983〜93年にレイカーズでプレーし、14〜16年にはHCも務めたOBのバイロン・スコットは『Fox Sports 1』の番組『Undisputed』で、「このチーム(レイカーズ)を次のレベルに引き上げるために、HCとして何が必要なのか。NBAのベストプレーヤー2人(レブロン、アンソニー・デイビス)がいる。結局、『レブロンをコーチにすればいい』という風にしか見えない」と持論を展開した。
 「レブロンには愛とリスペクトしかない。彼はバスケットボール界で最も偉大な選手の1人だと思う。でも、彼がこの組織(レイカーズ)で選手の立場からコーチングの立場まで、多くの決断を下していることは明らかだ。私が知る限り、レブロンが穏当に信頼できる人物は彼自身だけだ。いずれにしても多くの決断を下すのだから、彼をその席(コーチ)に座らせればいいじゃないか」

『Fox Sports』によると、NBAが創設された1946年以降、選手兼HC経験者は計40人いるが、1978-79シーズンのデイブ・コーウェンス(ボストン・セルティックス)を最後に選手とHCの“二刀流”をこなした人物はいないという。

 殿堂入り選手のティム・ハーダウェイも『Fox Sports 1』の番組『The Carton Show』で、スコットの意見に同調している。

「レブロンをビル・ラッセルのように選手兼HCにすればいいじゃないか。事実上、彼はそういう役割をしているわけだからね。(次期HC候補の1人に挙がっている)JJ・レディックを雇うだけならそうなるだろう。レブロンは練習も、試合も、すべてを仕切るつもりだ」

『FOX Sports』のNBAアナリストであるリッチ・ブッチャーも同局の番組『The Herd』で、「バイロンは(レイカーズを)解任されたコーチ全員を代表して言っていると思う。『交代のタイミングや出場時間、オフェンスのやり方に口を出すのなら、なぜチームのコーチをやらないんだ?』とね」と語っている。

 レブロンの現役続行は、HC兼任案に左右される可能性もあるのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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