6月20日(日本時間21日、日付は以下同)、カナダ・バスケットボールがパリオリンピックに向けた代表候補20名を発表。

 オクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)、ルージェンツ・ドート、デンバー・ナゲッツのジャマール・マレー、ヒューストン・ロケッツのディロン・ブルックス、トロント・ラプターズのRJ・バレットとケリー・オリニクなど、NBAでも第一線で活躍する豪華メンバーが名を連ねた。

 昨年のワールドカップで銅メダルを獲得したカナダは、FIBAランク7位の強豪で、W杯同様に今回もジョルディ・フェルナンデス(来季からブルックリン・ネッツのHC)が指揮を執ることになる。

 SGAやバレット、ブルックスらW杯メンバーが順当に選出された一方で、代表候補に入っていたアンドリュー・ウィギンズ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が28日にロスターから外れることが発表された。

 カナダのオリンピックチームでゼネラルマネージャー(GM)を務めるローウェン・バレットは「我々にとってアンドリューに問題はなかった。彼とはコンスタントに話をしてきたし、数週間に渡ってトレーニングも重ねてきた。(でも)キャンプが始まる前、ゴールデンステイトから連絡が入って、彼を外してくれと言ってきたんだ」とコメント。

 そして「私が見る限り、これはアンドリューが決断したことではなく、あくまでチーム(ウォリアーズ)としての通達だった。これで彼は我々と一緒には過ごすことはないだろう」と話していた。
  ウォリアーズ在籍5年目の昨季、ウィギンズは71試合の出場で平均13.2点、4.5リバウンド、1.7アシストを記録。もし代表ロスターに入れば、ウイング陣は超豪華な布陣となっていただろう。

 米スポーツ専門メディア『The Athletic』のアンソニー・スレイター記者によると、これはウィギンズのメディカル面の問題だったという。昨季終盤、29歳のウイングは足首のケガを抱えながらプレーしており、4月には2試合を欠場していた。

 また、昨季3年ぶりにプレーオフ出場を逃したウォリアーズは、契約があと3年残っている(最終年の2026−27シーズンはプレーヤーオプション)ウィギンズを今夏にトレードする可能性もある。

 すでにオリンピック出場を決めているカナダは、28日からトレーニングキャンプがスタート。本戦ではFIBAランキング5位のオーストラリア代表、7月上旬に開催されるオリンピック世界最終予選(OQT)のギリシャとスペイン大会の勝者と予選で対戦する。

 ウィギンズがオリンピック出場を熱望していたのであれば、今回ウォリアーズが下した決断は悔しい結果だろう。だが完全FA(フリーエージェント)になるリトアニア代表のヨナス・ヴァランチュナス(ニューオリンズ・ペリカンズ)がOQTには出場しないことが発表されているように、NBAはビジネスでもある。

 はたして、ウォリアーズはウィギンズを放出するのか。30日から他チームのFA選手との交渉も解禁されることから、今後の動向に注目が集まる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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