俳優・アーティスト、のんが声を務めた「ポケモンコンシェルジュ」が現在Netflixにて独占配信されている。本作はポケモンの完全新作ストップモーション・アニメーション。ポケモンがお客さまとして訪れる南の島“ポケモンリゾート”を舞台に、新米コンシェルジュのハルがポケモンのお世話に奔走しながら、本当の自分らしさに気づいていく。第51回アニー賞では、監督を務めたドワーフスタジオの小川育がテレビ/メディア部門の監督賞ノミネートを果たすなど、世界中を癒し続けている作品だ。さらに、新エピソードの制作も決定もしている。この度、主人公・ハルを演じたのんに作品へのこだわりや魅力を聞いた。他にも、“俳優・アーティスト のん”を世間に知らしめた朝ドラ「あまちゃん」から約10年が経過したことから、10年間変わらずに抱いてきた信念について「好きだからこの活動をやってきたんだと思うと途端に力が湧いてくる」と力強く語ってくれた。

■大好きなポケモンの仕事オファーに「ついにポケモンの仕事がきた!」

――始めに、「ポケモンコンシェルジュ」ハル役のオファーを受けた時の心境をお聞かせください。

小学生の頃にポケモンにハマり、そこからずっと大好きなので「ついにポケモンの仕事がきた!」と嬉しく思いました。

――実際にハルに声を吹き込んでみていかがでしたか?

最初は、ハルの人形の口の動きやリアクションが不自然にならないように、私の声を吹き込んでいる様子を動画で撮った後に、本当の収録を行いました。

――たしかに完成した作品では、のんさんの声とハルの動きにまったく違和感がありませんでした。

今回のようなストップモーションアニメの場合は、声優さんの口の動きやリアクションの仕方が動画である方がすごく動かしやすいんだと小川監督からお聞きしました。また、普通の2Dのアニメよりも口の動きをきちんと重ねないと変な感じがしてしまう、ともおっしゃっていましたね。

■「ミュウツーやグラードンといった伝説ポケモンが好き」…現在はコダック推しに変化

――大好きなポケモンだらけの現場はいかがでしたか?

スタジオの中にたくさんのポケモンを配置してくださり、ポケモンの世界に入った気分になりとても楽しい時間を過ごせました。

――本作では、ハルの相棒はコダックでした。ポケモン好きののんさんの好きなポケモンを教えてください。

ゲームをしている時は、ミュウツーやグラードンといった伝説のポケモンが好きだったんですが、今は断然コダック推しです(笑)

■落ち込んだ時は「食べたら罪悪感がある物をコンディションは気にせず食べに行きます」

――本作でハルは不幸が重なり落ち込んでいるところを先輩やポケモンたちに助けられます。のんさん自身はどのような時に落ち込んだりしますか?

あまり落ち込むことはないのですが、人にきつくあたりすぎてしまった時は、後から後悔して「直さないと…」と落ち込みます。

――落ち込んだ時に立ち直るためにすることはありますか?

私のお気に入りの飲食店に行っておいしい料理を食べたり、ラーメンや焼肉といった普段は我慢している、“食べたら罪悪感がある物”をコンディションは気にせず食べに行ったりします。落ち込んで体調を崩すならラーメンとかで崩してやる!という気持ちです(笑)

■「好きだからこの活動をやってきたんだと思うと途端に力が湧いてくる」

――本作では、声優としての活動でしたが、俳優、アーティストと幅広いステージで活躍されています。そんなのんさんの活動の原動力を教えてください。

一番は、作品などを見てくださり「面白い」「すごい」と反応してくださる方たち。反応をいただけることで、私の演技や表現が誰かのパワーになっていたり、人に影響を与えられていることを実感し「このまま続けていいんだ」と思い、原動力に繋がっています。

――では、芸能活動をしていて“最高”を感じる瞬間はいかがでしょうか?

「こんなに良い仕事ができた!」と思ったときは本当に気持ちがよくて、北島康介選手が「チョー気持ちいい」と言った時と同じ心境だと思います。今回だと「ポケモンコンシェルジュ」の完成を見て「ここ良い感じにできたな」と思うと、「チョー気持ちいい」って思います。

――のんさんの代表作でもある「あまちゃん」が放送されてから約10年が経ちました。10年間変わらずに抱いてきた信念はありますか?

「好き」という気持ちを優先することです。芸能活動をしていると、苦しいことや辛いことはもちろんついてくるのですが、「好きだからこの活動をやってきたんだ」と思うと途端に力が湧いてきて頑張れます。

――では最後に、「ポケモンコンシェルジュ」の見どころをお願いいたします。

「ポケモンコンシェルジュ」はポケモンたちがバトルすることがメインではなくて、ポケモンリゾートという島があって、そこで働くハルがポケモンに助けられたり、いたずらされたり、大事なことを教えられたりします。

日常生活を見ながらポケモンがいる世界を疑似体験できる作品になっていて、本当に現実世界にポケモンがいたら、すごく幸せだろうなと思えるので、ぜひ見て幸せな気持ちになって欲しいです。

◆取材・文=山田椋太