4月13日(土)スタートのドラマ「花咲舞が黙ってない」(毎週土曜夜9:00-9:54、日本テレビ系)の制作発表会見が4月2日に神奈川県内のスタジオで行われ、主演の今田美桜、共演の山本耕史、ずん・飯尾和樹、要潤、菊地凛子、上川隆也が登壇。撮影現場でのエピソードや、新シリーズを担当することのプレッシャーなどを語った。

■「花咲舞が黙ってない」を新キャストで放送

本作は、銀行を舞台に不正を絶対に見て見ぬふりできない花咲舞が、弱い立場の人たちのために立ち上がる姿が痛快なエンターテインメント作品で、2014年、2015年に杏主演で放送して大ヒット。前回のドラマ放送後に出版された新作小説『花咲舞が黙ってない』(池井戸潤・著)を原作にした新たな物語を、主人公・花咲舞役に今田、舞のバディ・相馬健役に山本という新たなキャストで放送する。

■抜群のチームワークで撮影中

桜が舞う演出の中登場した出演者たち。髪の毛についてしまった桜を出演者同士で取ってあげるという一幕もありながら、会見がスタート。

クランクインから3週間が経過し、かなり順調に撮影が進んでいるそうで、今田は「まだ3週間なんだというくらい、チーム感や団結力がすごくあり、スピード感がすごいです。巻いてます(笑)」とニッコリ。山本も「今日も朝撮影していたシーン5ページくらいが、頭から最後まで1回で終わりました」と話し、二人の上司役の飯尾も「生放送じゃないかってくらいテンポが良い」と同意。

空き時間には、現場にある5連や10連のけん玉にチャレンジしているそうで、山本は「すごくうまいんですよ!何回も入れてた」と今田を絶賛。今田も「山本さんもすごいです!」と褒めると、山本は「けん玉初段持ってるんです」と明かし、上川も「僕も5連できました!」とアピール。

一方、今田演じる舞の前に立ちはだかる“敵”を演じるのは菊地と要。菊地が演じるのは昇仙峡玲子(しょうせんきょう・れいこ)という役名で、名前の発音に苦戦していたようだが、要は「昇仙峡の発音は“望遠鏡”と一緒だと菊地さんが教えてくれた」と説明し、菊地は「望遠鏡玲子としてやっております」と笑いを誘う。要は「菊地さん凛としたイメージだけどチャーミングです。実は同級生です」と明かすと、菊地は初めて知ったかのようなリアクションで応じる。そんな菊地に要は「初めましての時にこの話しましたよね?」と焦っていた。


■池井戸氏からの手紙が到着

そんな和やかに進む会見の中、原作者の池井戸氏から手紙が到着。「装いも新たに、花咲舞が帰ってきてくれました。少しおてんばだけれど、曲がったことは大嫌い。そして相手が誰だろうと、理不尽には黙っていない―。そんな花咲を今田さんがどう演じられるか、本当に楽しみです。そして、花咲とコンビを組む相馬役の山本さん。今田さんとの軽やかで楽しいコンビネーションを期待しています。菊地さん演じる昇仙峡の名は、山梨県の秘境・昇仙峡から取りました。クールで芯の強い昇仙峡に菊地さんはぴったりです。あわてんぼうの次長には飯尾和樹さん。きっとドラマの癒やしになってくれるでしょう。花咲たちの最大の敵・紀本には要潤さん。別のドラマの悪役ぶりが迫力満点でした。そして、居酒屋『花さき』の店主には上川隆也さん。今回は花咲の叔父という役どころですが、新シリーズにも参加してくださり、とてもうれしいです。一視聴者として土曜日午後9時が待ち遠しいですが、ぜひ皆さんも一緒にご覧ください。花咲よ、風になれ!」とキャスト、視聴者に向けての思いがつづられた内容に。

それを受けた上川は「元々の原作タイトルは『不祥事』で、(前シリーズの)ドラマの後から池井戸さんの申し出もあって『花咲舞が黙ってない』というタイトルに変えてくださった。気に入って愛してくださってありがたく思います。期待に応えられるようにしたいです」と意気込む。

また、山本は「(池井戸氏の作品は)いろんなテイストがあるのが特徴だと思っています。ユーモアのあるふわっとした雰囲気なのに、ストレートにシャープにテーマを描く。楽しいけど大切なことに向かって二人が動く、緩急のある作品になっていると思います」と池井戸作品の魅力を語る。

さらに、「花咲よ、風になれ!」という池井戸氏の言葉を受けた今田は「舞には、突風だったりそよ風だったり、“風”の部分があるので、それくらい勢いのある女の子をこの作品を通じて演じられたらいいなと思ってます」と話した。

■新シリーズを担当することのプレッシャー

そして前作では、杏が花咲舞を、上川が相馬を演じており、新キャストで新シリーズをつくることにプレッシャーがあるかという質問に。今田は前作を学生の頃に見ていて、新シリーズに向けて見直したそうで「あらためて見直すと、舞の行動はなかなかできることじゃないし本当にすごいなと思います。プレッシャーはありますが、大好きな作品でもあるので、リスペクトを込めて新しい花咲舞をつくっていけたら」とコメント。

一方で相馬を演じる山本は、「僕の場合はご本人が現場にいらっしゃるので、本人がどう思っているか興味もあります。(上川さんは)前からご一緒させていただいて、すてきな先輩の俳優さんなので、とっても優しく見守ってくれていると僕は感じています。むしろ、いらっしゃることが助かる。プレッシャーじゃなくなります」と語る。

前作で相馬を演じていた上川は、今作では「酒肴処・花さき」の店主で舞の叔父・花咲健役を演じる。「2人の佇まいは花咲舞にふさわしいものになっていると思います。お二人に決まりましたとお話を伺った時から、僕は何の心配も不安も抱かずにおります。一方で、僕自身もプレッシャーがないわけではなくて、大好きな(大杉)漣さんが演じていた『酒肴処・花さき』の店主ですから。実は当初、お父さん役としてのオファーもあったんですが、それは大杉さんがなさっていた役ですし、大事にしたいと思ったので、もう一度考えましょうということで、この役に収まったという経緯があるんです。だからこそ、この役柄を僕も一から作り上げなければいけませんし、楽しみながら新しい『花咲舞が黙ってない』の一端を担っていきたいと思っています」とオファーの裏側と意気込みを語った。

◆取材・文=水沢あすみ