ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』など、数々の人気作への出演経験を持つ山崎晶吾。彼が次に挑むのは、5月12日(日)より上演されるミュージカル「ROCK MUSICAL BLEACH〜Arrancar the Beginning〜」。2.5次元ミュージカルの先駆け的存在として人気を誇る本作への意気込みはもちろん、演じる役への向き合い方、そして8年目となる俳優人生においてターニングポイントとなった作品について語ってもらった。
■役者の仕事は「自分がなりたかった自分になれる」
――2016年に上演されたミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンでデビューされましたが、もともと芸能界にはあまり興味がなかったとか。
そうなんです。関西出身なのですが、美容師の資格を取得したのち、就職を機に東京に出てきていたんです。でも、美容師の仕事が合わないと感じて、すぐに辞めてしまって。とくにやりたいことも見つからなくてフラフラしていたときに、たまたまご飯に行ったお店で当時の事務所の社長さんにスカウトをされました。
――興味や知識もない状態で飛び込んだ業界で、ここまで長く続けてこられた理由をあげるとしたら?
中学生ぐらいの頃から、影響力のある人になりたいという漠然とした思いはあったんです。役者になってから自分を応援してくれる人たちができて、その人たちにいい影響を与えられているのかもと思い始めるようになって、「自分がなりたかった自分になれるのはこの仕事だ」と思ったのが理由の1つかなと。あとは、単純にお芝居を楽しいと思えたということもあります。
――いい影響というのは、どういうところからそう感じたのでしょうか?
僕が舞台上で演じている姿を観て、「今まで諦めていたことに挑戦してみようと思った」と言ってくださる方がたくさんいらっしゃって。それがすごくうれしかったんですよね。だから、自分が活動することによって、もっともっとたくさんの人が前向きになったり、人生を楽しんだりするきっかけになれたらいいなと思いました。
――では、俳優業の魅力を教えてください。
僕自身はあまり言葉で何かを伝えるのが得意な方ではないのですが、役の力や脚本の力を借りることで、普段、自分が思っているけどうまく伝えられていないことを届けられる、というところがやりがいであり魅力だなと思っています。
たぶん僕は言葉のレパートリーがめちゃくちゃ少ないんです。だから、話すときも効果音ばかりになっちゃうんですよ(笑)。でも、舞台上だと作品や役を通して、思っていることがしっかりと伝えられるような気がしています。人によって受け取り方は違うと思いますが、何かしらの感情をステージ上から直接与えることができる舞台というのが、すごくすてきだなと感じています。
■実は不器用な芝居へのアプローチ方法
――5月12日より上演されるミュージカル「ROCK MUSICAL BLEACH〜Arrancar the Beginning〜」に、平子真子役でご出演されます。原作は誰もが知る超人気作で、かつミュージカルとしても長い歴史を持つ作品となりますね。
「BLEACH」は中学生の頃に読んでいた漫画だったので、懐かしいなという感覚と、出演することができて素直にうれしいという気持ちがありました。それに、本作でやらせていただくストーリーは原作でもすごく盛り上がった部分になりますし、人気のキャラクターたちもたくさん出演するので、僕としてもどんな作品になるかとても楽しみです。
――本作に限らず、演じる役に対してどのように演技プランを練っていくのか教えてください。
計算して何かをやることができないので、演技プランを練るという作業はほとんどやったことがないです。役作りで意識していることは、あまり頑張らないようにするということですかね。人って、つねに頑張って生きている人は少ないなと思うんです。例えば、日常的なシーンを演じるときに「よし、頑張ろう!」と気合いを入れたら、それはちょっと違うんじゃないかなと。頑張りすぎずに、自然体でいるようにと考えています。
――デビュー当初から現在に至るまで、役作りの仕方に変化はありましたか?
大きくは変わっていないような気がします。デビューしたときは、お芝居も歌もダンスも初めての経験ばかりだったので、とにかく必死になって覚えていました。ひたすら自主練をしていましたね。
――誰かに聞いてやり方を教わるのではなく、ひとりで黙々と作業をされていた?
そうですね。もともと技術職に就いていた経験から、“誰かに教えてもらったことはすぐに忘れてしまう”という考え方をしていて。だから、1人でコツコツと作業する癖がついたのかもしれません。美容師の技術ってとにかく反復練習だったのですが、舞台上で求められる歌、ダンス、殺陣も、やっぱり反復練習が大事。性格上、同じことを繰り返すことが苦ではないんだと思います。
あと、役者という仕事はすごく地味だなと思っていて。ひたすら原作、台本を読んだり、情報や資料を調べたり、実際にある土地が舞台なら、そこへ足を運んだりとか。そう考えると、そういう地味な作業が好きだなと思うし、やっぱりこの仕事は性にあっているのかなと感じますね。
――これまで壁にぶつかったり、苦戦したりしたことはありますか?
苦戦ばかりしていますよ(笑)。僕は周りの人たちからよく器用と言われるんです。たぶん、台本や振付を覚える過程を誰にも見せずに1人でやっているからだと思うんですけど、実際は求められていることができなくて、悩んでいることの方が多いです。ただ、一度習得するとまたできなくなるということはないので、できるようになるまでの練習を効率よくできているということかもしれないです。
■“刀ミュ”は「スタッフさんたちの熱量がものすごく高い作品」
――俳優業を始めて8年目ということですが、俳優人生を振り返ってターニングポイントだったと感じる作品を教えてください。
たくさんあるのですが、「Fate/Grand Order THE STAGE」は、お芝居に対しての考え方がガラリと変わった作品だったのでとても印象に残っています。
――具体的にはどのような?
それまでは、お芝居はうそをつくものだと思っていたんです。結局、お芝居だからすべてうそだよねって。だけどそうではなくて、役者はうそを本当にするのが仕事なんだという考え方に変えてくれた作品なんです。その感覚を得てから、うそをつかない芝居をしていこうと思えるようになりました。
そして、そのあとに出演したミュージカル『刀剣乱舞』は、演じる役に対しての責任感や、自分を応援してくれている方たちに何かを与えることの責任感をより強く持てた作品だと思っています。挙げたらキリがないですが、どの作品からも新しい気づきや学びは得られていると思います。
――“刀ミュ”で責任感を強く持てたとのことですが、それはお客さんの期待値がより高い作品だからこそ、ということでしょうか?
もちろんそれもありますが、“刀ミュ”の現場は関わるスタッフさんたちの熱量がものすごく高いんです。この作品にすべてを賭けている、というぐらい、作品、キャラクターへの愛情が大きくて。とくに演出の茅野イサムさんは、誰よりも作品に対して愛情を持っている方なので、役者がキャラクターの深いところまで掘り下げられるような稽古を付けてくださいます。そして最終的に役の力を借りて、僕たちも自由に演じられるところにまで持っていってもらえるので、スタッフさん、そしてお客さんの期待に応えたいという思いから自然と気合いが入っていましたね。
――目指す俳優像など、将来のビジョンについて考えていることはありますか?
昔は目標などを考えることもありましたが、今は目の前にあるものに集中して取り組んでいきたいと思っています。というのも、この仕事は本当に続けるのが大変だと感じていて、求められなくなったらそこで終わってしまうんですよね。でもこの仕事が大好きだし続けたいから、そうなると、今やらなければいけないことを全力で頑張るしかないのかなと思っています。
――では、プライベートで挑戦したいことがあれば教えてください。
山などの自然な場所に秘密基地を作りたいです。そこでピザの窯をレンガで作ったり、サウナを作ったりということをしてみたいです。
――誘いたい人や一緒にやってくれそうな心当たりは?
それが、今のところまだいないんです。そもそも家事とか一切できない人間なので、秘密基地を作るのに何を準備すればいいかもまったくわかっていなくて。だから、ただの願望で終わる可能性が高いですね(笑)。
※山崎晶吾の「崎」は正しくは「たつさき」
◆取材・文=榎本麻紀恵
撮影=岡本武志
スタイリスト=齋藤良介
ヘア&メーク=松田美穂
「ROCK MUSICAL BLEACH」に出演する山崎晶吾、ミュージカル『刀剣乱舞』から学んだものは「より強い責任感」
関連記事
おすすめ情報
WEBザテレビジョンの他の記事もみるあわせて読む
-
「もはや本人だろ」「ひと言で期待値爆上がり」違和感がまるでない奇跡の声優交代劇
マグミクス5/20(月)18:10
-
「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 第2弾、公演タイトル・全キャスト・ビジュアルなど公開 丘山晴己、田村升吾らが新たに出演
SPICE5/20(月)11:06
-
「若さは正義」と言われる女性アイドル。でも本当にそうなのか?アラサー世代の『i☆Ris』が、ファンから受け取ったもの
ハフポスト日本版5/19(日)10:00
-
松島勇之介、1st写真集発売 心の暗闇にフォーカス「150点!最高の仕上がり」と手応え
中日スポーツ5/18(土)14:11
-
鈴木拡樹、「自身の原点の再確認」舞台デビュー15周年メモリアルフォトブック発売 「海外でもやれるかも」今後の野望も明かす
中日スポーツ5/18(土)12:37
-
ミュージカル「忍たま乱太郎」第14弾 五年生!対六年生!〜お宝を探し出せ!!〜 開幕
シアターテイメントNEWS5/18(土)9:30
-
元AKB48真楪伶(馬嘉伶)が2.5次元の舞台にて本格的な殺陣を披露「こんなに役作りについて悩んだのは初めて」
Walkerplus5/17(金)21:00
-
【推しの子】復活上映1週目・2週目の特典発表 アイのブロマイド&チェキ、ミニ色紙
ORICON NEWS5/17(金)18:13
-
梅棒 18th “RE”SHOW『シャッター・ガイ』 メインビジュアル・各キャラクタービジュアルが公開
SPICE5/17(金)18:00
-
-
2024年春アニメ、“いま”一番推せる作品は? 3位「花野井くんと恋の病」、2位「WIND BREAKER」、1位は「ヒロアカ7期」
アニメ!アニメ!5/17(金)17:00
-
「ずっと待ってた」「6年ぶりの復活」待望の2024覇権最有力候補かもしれないアニメ3選
マグミクス5/17(金)12:10
-
実写映画『刀剣乱舞』DMM TV配信好調 キャスト陣から喜びのコメント到着
ORICON NEWS5/17(金)8:14
-
篠崎こころ、雨宮翔、田中梨瑚らが出演 ミュージカル『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のメインキャストが決定
SPICE5/16(木)18:00
-
「ペダステ」シリーズ最終公演へ、新シリーズの第4弾公演詳細が解禁
SPICE5/16(木)12:44
-
新木宏典&片岡千乃助W主演の舞台『ヒストリーボーイズ』、メインビジュアル&全キャスト解禁
ORICON NEWS5/16(木)12:08
-
新木宏典、片岡千之助がW主演する『ヒストリーボーイズ』のメインビジュアル公開 小西成弥、 定本楓馬ら新たなキャスト7名も発表
SPICE5/16(木)12:00
-
崎山つばさ「演劇で苦しんでいる自分が好き」〜三人芝居『怪物の息子たち』インタビュー
SPICE5/14(火)20:00
-
舞台『夢職人と忘れじの黒い妖精』のキービジュアル&登場キャラクターなど解禁 クロウ役は武子直輝、イツキ役は佐野真白
SPICE5/14(火)12:00
-
エンタメ アクセスランキング
-
1
『虎に翼』新キャスト3人発表 主演・伊藤沙莉を囲む豪華な顔ぶれ【キャラクター紹介あり】
ORICON NEWS5/21(火)11:20
-
2
声優・梅津秀行さん、間質性肺炎で死去 68歳 『ハリー・ポッター』ロンの父役、『機動戦士ガンダム00』イアン役など
ORICON NEWS5/21(火)14:08
-
3
「何教わんねん、こいつに」粗品 元雨上がり・宮迫が始めた“月額50万円の顧問制度”を痛烈イジり
女性自身5/21(火)15:21
-
4
南明奈、情報番組でまさかの大号泣 ネットもらい泣き「絶対いいお母さんしてるわ…」「良過ぎた」
ENCOUNT5/21(火)10:36
-
5
【途中で見るのをやめた春ドラマランキング】3位『花咲舞が黙ってない』、2位『366日』をおさえた1位の作品は?
女性自身5/21(火)11:00
-
6
柳原可奈子 脳性まひ公表長女の「大きなひとり言」に感動…「最後の4行に泣いた」「素敵すぎ」ファン感涙
スポニチアネックス5/21(火)10:29
-
7
「SMAPの再結成はない」の根拠に木村拓哉“妻” 9年前と比べ彼女の役割に大きな変化
デイリー新潮5/21(火)11:07
-
8
《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議
日刊ゲンダイDIGITAL5/21(火)9:26
-
9
京本政樹 長男・SixTONES大我との特殊な親子関係明かす「男親と子どもというよりは割と…」
スポニチアネックス5/21(火)14:11
-
10
55歳になった人気歌手、夫とのラブラブ2ショット披露「メッチャ若い」「隆三さんもお元気そうですね」
ENCOUNT5/21(火)9:23
エンタメ 新着ニュース
-
すとぷり事務所STPRが5月4社目のM&A! ビタースウィートエンタテイメントを傘下に
スポニチアネックス5/21(火)20:53
-
高橋克実『虎に翼』に出演 生まれ故郷の新潟・三条市の弁護士役
ORICON NEWS5/21(火)20:52
-
西野未姫、第1子妊娠を発表 夫は極楽とんぼ・山本圭壱「56歳と25際の夫婦、奇跡的に授かりました」
サンケイスポーツ5/21(火)20:46
-
平田満『虎に翼』に出演 初代最高裁判所長官・星朋彦役
ORICON NEWS5/21(火)20:46
-
岡崎体育 自身のライブチケット販促分析記事に怒り「しっかり憤ってしっかり悲しみますね」
東スポWEB5/21(火)20:45
-
朝ドラ出演の31歳女優が「別人すぎる」エレガントコーデ「ギャップえぐ」「全然違う!」ネット騒然
スポーツ報知5/21(火)20:45
-
本田真凛さんが“クレーム” 彼氏に関する話題に、さんま「言うたらアカンかった?」
スポニチアネックス5/21(火)20:42
-
ハンサム女子にキュン… 本田翼、女性誌の表紙を飾ったショットを独特の表現で紹介
中日スポーツ5/21(火)20:42
-
56歳の「極楽とんぼ」山本圭壱がパパに!妻の西野未姫が妊娠を発表 出産は秋ごろ
テレ朝news5/21(火)20:42
-
King&Prince、デビュー6周年を前に新会社King&Princeを設立 STARTO社とエージェント契約
ENCOUNT5/21(火)20:41
総合 アクセスランキング
-
1
大谷翔平2年ぶりバント安打は「(10点満点中)2点」ロバーツ監督が辛口採点で爆笑誘う「結果は10点満点だった」
デイリースポーツ5/21(火)14:58
-
2
【速報】車の窓に首挟まれ…女児死亡 母と乗車か 女児は後部座席に
テレ朝news5/21(火)14:00
-
3
関口メンディーからキンタロー。まで…「不満はない」のに事務所を辞める芸能人たちの“真意” 中西正男
AERA dot.5/21(火)11:30
-
4
FA封印なら8億円パー…大不振の阪神・大山悠輔が絶対に避けたい“争奪戦ナシ残留”
日刊ゲンダイDIGITAL5/21(火)9:26
-
5
「誰?!」大谷翔平、長身金髪美女との2ショットにファン驚嘆「デカッ」「ゴージャス」…球団が公開
スポーツ報知5/21(火)12:25
-
6
『虎に翼』新キャスト3人発表 主演・伊藤沙莉を囲む豪華な顔ぶれ【キャラクター紹介あり】
ORICON NEWS5/21(火)11:20
-
7
カズ「悔しさが多い」ポルトガルでの2季目を総括 57歳「練習できるのかと思うくらい体が痛いことも」
スポニチアネックス5/21(火)17:31
-
8
声優・梅津秀行さん、間質性肺炎で死去 68歳 『ハリー・ポッター』ロンの父役、『機動戦士ガンダム00』イアン役など
ORICON NEWS5/21(火)14:08
-
9
3歳次女を浴槽に沈めたか 殺人未遂疑いで女逮捕、福井
共同通信5/21(火)18:29
-
10
明細への減税額明記 立憲・岡田氏「選挙運動と言われても仕方ない」
毎日新聞5/21(火)17:47
いまトピランキング
東京 新着ニュース
-
【首都高速】2号目黒線で安全確認 一部通行止めは解除(21日20:50現在)
TraffiClip5/21(火)20:35
-
リンゴをのどに詰まらせ1歳女児死亡 2022年、国分寺の認可外保育所 すりつぶさず「情報共有が不十分」
東京新聞5/21(火)19:26
-
【放射5号/東八道路】三鷹市内でトレーラー事故 一部通行止めは解除(21日19:30現在)
TraffiClip5/21(火)18:30
-
車の窓に首をはさまれ女児が死亡 運転中の母親が気付く 後部座席で「抜けない」
東京新聞5/21(火)18:15
-
「東京大空襲」封印が解かれた証言ビデオの公開を拡大 「資料展」2025年は都内5カ所で
東京新聞5/21(火)18:14
東京 コラム・街ネタ
-
400足限定販売!ミズノ『ウエーブカップ SS JAPAN』が登場 岡崎慎司がラストゲームで履いた特製スパイク
Qoly5/21(火)20:00
-
ヨックモック55周年記念で誕生したアートな空間「クッキーのアトリエ」が期間限定オープン
Walkerplus5/21(火)19:00
-
「正しく生きろ」と言われ続けて…。秘密の共同生活の末に、ゲイの青年が憧れのアイドルと“逃げること”を決意した話【作者に聞く】
Walkerplus5/21(火)19:00
-
町野修斗のホルシュタイン・キール、2024-25新ユニフォーム発表!クラブ史上初の「ブンデス1部」戦闘服
Qoly5/21(火)19:00
-
かわいすぎる妖怪フルーツ大福が大人気/日暮里「和洋菓子 EDO USAGI」
ことりっぷ5/21(火)18:45
特集
記事検索
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.