現在放送中のドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ系)で主人公・晴原柑九朗を演じている山下智久。同作ではSDM(特別災害対策本部)気象班チーフとして、スマートかつ情熱あふれる姿を披露している。

そんな山下の代表作の一つが、2008年に初めて放送された医療ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ)。山下を含むフライトドクター(シーズン1では候補生)たちの成長を描いたシリーズで、山下は自らの技術に自信を持ちながらもなお貪欲に腕を磨くことに執着する若き医師・藍沢耕作を演じた。現在FODプレミアムで無料配信中の1stシーズン第1話から、藍沢の記念すべきドクター・ヘリ初出動シーンを振り返る。(以下、ネタバレがあります)

■山下智久“藍沢”、初出動で衝撃の決断

「コード・ブルー」1st Season初回では、翔陽大学附属北部病院救命救急センターに赴任した4人の若き医師たちの初勤務が描かれた。ドクターヘリのノウハウを地元の救命センターに持ち帰るためやってきた白石恵(新垣結衣)、積極的で負けず嫌いの緋山美帆子(戸田恵梨香)、明るいが小心者で見栄っ張り、落ちこぼれ気味の藤川一男(浅利陽介)、そして藍沢だ。

初勤務早々、運び込まれた救急患者の処置を落ち着いて行い、救命センターのエース・黒田脩二(柳葉敏郎)に一目置かれた藍沢。「明日はお前が乗れよ」と指名され、翌日すぐにその瞬間はやってきた。

藍沢は、コールを聞いてすぐに「来た」とヘリまで全力疾走、初めてとは思えない落ち着きぶりで現場へ急行した。患者は機械に腕を挟まれ、意識レベルが著しく低下していた。患者の状態を冷静に観察した藍沢は、一言「切断…ですね。もたもたしてたら心臓が止まります」。その場で緊急オペを行い、患者の腕を切断する。

■「コード・ブルー」の人気を決定づけた強烈シーン

ドクター・ヘリを動員したダイナミックかつリアルな映像、黒田やフライトナースの冴島はるか(比嘉愛未)をはじめとするキャスト陣が醸し出す緊張感。その中で、一目状況を見ただけで“腕の切断”を決めてしまう藍沢という人物の決断力と、“患者の命を救う”ことへの並々ならぬ執念。

第1話で描かれたこの強烈な初出動シーンが、その後に続く藍沢耕作というキャラクター、そして「コード・ブルー」という作品の人気を決定づけたと言っても過言ではないだろう。

高い能力を持ち、目の前の患者の状況をしっかり見て、命を救うため最善の方法を冷静に見極める藍沢。演じる山下の何者にも動じない表情と意志の強い瞳が、藍沢というキャラクターとぴったり一致した瞬間でもあった。ここから藍沢とフェローたちの、一人前のフライト・ドクターへの成長物語が幕を開ける。