松本幸四郎が、5月10日に都内で開催された劇場版「鬼平犯科帳 血闘」の公開記念舞台あいさつに、市川染五郎、中村ゆり、中島瑠菜、北村有起哉、柄本明、山下智彦監督と共に登場した。

■劇場版「鬼平犯科帳 血闘」あらすじ

時代小説の大家・池波正太郎の三大シリーズの一作品で、“時代劇の金字塔”である「鬼平犯科帳」を、池波正太郎生誕100年記念作品として十代目・松本幸四郎主演で実写化したもの。第一弾として1月8日にテレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」(時代劇専門チャンネル)が大好評となり、同作は第二弾。

長谷川平蔵(幸四郎)が若かりし頃に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村)が密偵になりたいと申し出てくる。平蔵はその願いを退けるが、おまさは平蔵が芋酒や「加賀や」の主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平(柄本)を捜していることを知り、独断で探索に乗りだす。九平を捜すうちに兇賊・綱切の甚五郎(北村)の企みを知ったおまさは、首尾よく綱切一味の中へ入り込む。しかし、おまさは絶体絶命の危機に陥る。

■松本幸四郎「また新たにご覧いただける場ができたということが心からうれしい」

登壇した幸四郎は、「本日、劇場版『鬼平犯科帳 血闘』が初日を開けることができました。本当にありがとうございます。我々キャスト、スタッフ皆、情熱を持って、『鬼平犯科帳』への愛情を持って一つの作品を作り上げることができました。ぜひとも一人でも多くの方にご覧いただきたいと心から思っております」とあいさつ。

また、テレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」について「この作品が(自身が主演を務める鬼平シリーズの)スタートになりましたけれども、この作品も本当にすてきな作品で、私自身も現場への100%の信頼を持って自分を出し切ることができたかなと思っております。何よりもこの『鬼平犯科帳』がまた新たにご覧いただける場ができたということに心からうれしく思っております」と述懐。

さらに、京都での撮影について「10代から京都の松竹の撮影所ではお世話になっていて、育ててもらった場所でもあります。ロケーションもそうですけど、そこでずっと作品を作っている方々の歴史というのがありまして、その(歴史を紡いできた)人がいるというのは何物にも代えがたいし、すぐにできることではないので、そんな世界一の職人の方々が作る作品、それが時代劇。京都だからこそできる作品ではないかなと思います」と明かした。

■松本幸四郎「今だからこそ『鬼平犯科帳』が新たに誕生した」

ほか、劇中で大立ち回りを披露している殺陣について、幸四郎は「一手一手に意味があるといいますか、会話しているような感じがしたので、刀を振り回すというだけではない、一つ一つに思いを込めて、『一歩も引かない。どんどん前に進んでいくんだ』っていう強い思いだとか、そういうものを刀に込めて殺陣をしようと思っていました」と告白。

最後に、「この『鬼平犯科帳』は人と人とのつながりだったり、絆だったり、人と人が出会うことによって起こることが描かれた人間ドラマです。この深く深く描かれた人間ドラマの劇場版『鬼平犯科帳 血闘』というものを、一人でも多くの方に見てもらいたい。“今だからこそ『鬼平犯科帳』が新たに誕生したんだ”と思っておりますので、ぜひとも宣伝の方、よろしくお願いいたします」とアピールした。

◆取材・文=原田健