工事に遅れが出ているリニア中央新幹線についてJR東海は29日、当初目指していた2027年の開業を断念する方針を明らかにしました。 JR東海の丹羽社長: 「残念ながら、2027年の名古屋までの開業は実現できる状況にはなく」  JR東海の丹羽社長は29日、国土交通省で開かれた会議で、リニア中央新幹線の名古屋-東京間の2027年の開業を断念する方針を明らかにしました。  静岡県の川勝知事が環境への影響などを理由に、県内のトンネル工事の開始に待ったをかける状況が続いていました。  JR東海は新たな開業の時期の見通しは立てられないとしていますが、静岡工区の工事の期間を約10年と示していて、計算上開業は2034年以降となります。  名古屋と東京を40分で結ぶリニアの開業に向けては名駅周辺を始め開発が進んでいて、愛知県の大村知事は「一日も早い静岡工区の着工を望む」と話しました。 大村愛知県知事: 「2027年開業を目指して、沿線都府県は地域開発なり様々なプロジェクトに取り込んできたと思っております。それが1〜2年ではなくさらにずれ込んでいくということは、断腸の思いだと言わざるを得ないと思いますね。極めて残念」