打撃にはあっても脚にスランプなし――。広島は17日のDeNA戦(マツダ)で5―1と逆転勝ちした。

 1点を追う3回以降は、新井貴浩監督(47)らベンチは、〝機動力〟で状況を打開した。

 3回、制球の不安定な相手左腕・浜口に対し、安打と3四球で1―1の同点とすると、続く4回には、敵の守備の乱れを巧みについた。無死一塁から8番・矢野、代打・二俣の犠打を処理した浜口が連続失策。労せず満塁とすると、一死から広島は、2アウトと引き換えに、脚力のみで2点を奪った。

 一死満塁から菊池の遊ゴロ併殺崩れの間に、2―1と勝ち越すと、なおも一、三塁で迎えた次打者・野間の3球目に重盗を敢行。二塁を狙った菊池が一、二塁間に意図的に挟まれる間に、三走の矢野が「行ける準備はしていました」と本塁を陥れ、3点目を奪取した。敵の意表を突く作戦に新井監督も「そこはキクもうまかったし、矢野も勇気を持ってスタートを切ってくれた。いい走塁だった」としてやったり。不安定なDeNAの投手や守備網の隙をつく形で、4回までに適時打や犠飛なしで3―1と逆転に成功。5回には坂倉の2点適時打でリードを広げた。

 守備では5回以降、中継ぎ6人の継投策で敵の反撃を無失点に封じ、11日以来の連勝を決めた。