阪神・森下翔太外野手(23)が17日の巨人戦(甲子園)で決勝の2点適時二塁打を放ち、2―0でチームの勝利に貢献した。

 この日は伝説のバックスクリーン3連発の日とあって、球場でも数々の演出が施された。そんな試合で結果を残し「3連発とはいかなかったですが(1番から3番の)3連打で勝つことができたのでよかった」とお立ち台でお笑顔を見せた。

 3回だった。二死無走者から近本、中野の連打で一、二塁。この場面で森下はフルカウントからの6球目、赤星の投じた150キロ内角直球を中堅にはじき返した。一度は中堅手・佐々木の守備範囲かと思われた打球だった。しかし、目測を誤ったようなプレーとなりセンターオーバー。森下自身は三塁を狙ってアウトになったものの、チームに3試合ぶりの先制点を思い切りのいいスイングで呼び込んだ。

 39年前の1985年4月17日はバース、掛布、岡田のクリーンアップがバックスクリーン3連発を決めた試合だった。今季は当時の舞台と同じ水曜日、甲子園、巨人戦という条件が合致。同じ結果を求めることは酷だが、二死走者なしからの3連打で勝利という結果に4万2000人を超えるファンも沸いた。

 現実的に4番・大山は試合前まで開幕から67打席で本塁打ゼロ。3番・森下、5番・佐藤輝も打率1割台と猛虎打線が機能しているとは表現できない状況だ。その結果が象徴するようにチームは9試合連続で2得点以下という惨状。そんな中で2年目のムードメーカーが果たした役割は大きい。

 令和の時代にレジェンドの再現をとの問いを受けた森下は「そのきっかけを(3番打者の)自分が作れれば」と力強く語った。チームが目指す目標はあくまで球団史上初の連覇。完全覚醒モードに入った現代の虎のクリーンアップがバックスクリーン3連発を再現できるのか。そんな明るい未来を想像できる4月17日の1勝だった。