◇照屋厚仁(39)兵庫支部98期

 16日に終了した住之江を走り終えた時点で2024年後期適用勝率は6・27。30日に終了する級別審査の対象期間の出場は地元・尼崎の初日(30日)のみ。7月からA1初昇格はほぼ手中に収めている。

 2006年5月にデビューしてから18年でボートレース界の最高ランクに駆け上がった。「親戚にあたる師匠の山本隆幸さんに憧れてボートレーサーになろうと思った。A1に上がったら師匠と一緒にGⅠを走りたいですね」と記念戦線での師弟対決に思いをはせる。

 デビューから約2か月後の児島で初勝利を飾った。ただ、初優勝は12年5か月後となる2018年12月の尼崎。級別も2013年前期にA2初昇格を果たしたものの、直後の2013年後期にはB級降格。A2復帰は2018年後期で、その後もA2定着とはいかなかった。

 そんな中、今年は1月の尼崎GⅢ企業杯、2月の尼崎と2優出。年間最多優出回数は5回。ほとんどの年が0〜2回にとどまっていただけに、今年は順調な滑り出しと言えるだろう。その要因について「いいエンジンを引いてこれたのはあると思います。でも、最近はやりたい形のペラで行っていい感じで走れている。それでスタートも早くなっていって勝てる機会が増えたのかなと思っています」と分析する。

 実際、昨年まで年間平均スタートタイミングはコンマ16〜22、スタート順も3・0〜3・8。今年はコンマ15、S順も2・6と着実にスタート力を上げてきた。ペラ調整が軌道に乗ったことで機力も安定、スタート力アップという好循環につながった。

 さらに「今までもいいエンジンを引いてはきたけど、準優でミスをして優勝戦に乗れなかったし、調整をやり過ぎてしまったりしていた。そういうところが詰めの甘さにつながっていたのかも」という課題もエンジン出しが安定したことで解消しつつある。

「変な形のペラを引くこともあるけど、今は迷わず自分の形に叩いて行ける。これは大きいと思います。自分のペラの形を信じて行けるので節間通しておかしなことになることが減っている。それでレースでも安心して走れている」と明かすようにレース自体の安定感にもつながっている。

 1月には弟弟子にあたる数原魁が平和島でデビュー初勝利を飾った。「触発されるものがありましたね」と弟分の活躍もモチベーションにつながっている。5月には40歳になる。不惑を迎えて、いよいよボートレーサーとして花を開かせる。

☆てるや・あつひと 1984年5月6日生まれ。兵庫支部の98期生。大阪府出身。2006年5月に尼崎でデビュー。同年7月に児島で初勝利。2018年12月に尼崎で初優勝。通算24優出1V。同期には平山智加、西村拓也、松田祐季、松本晶恵ら。