パリ・サンジェルマン(フランス)が、16日に行われたバルセロナ(スペイン)との欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦でFWウスマヌ・デンベレが人種差別を受けたと、欧州サッカー連盟(UEFA)へ抗議文書を送った。フランスメディア「RMC」が報じた。

 ホームの第1戦を2―3で落としたPSGは、アウェーの第2戦に、デンベレの先制ゴールなどで4―1で快勝。逆転で4強入りを決めた。そんな一戦において、デンベレは古巣サポーターから歓迎されなかった。

 6年間在籍したチームを裏切るかのような昨夏の移籍の経緯を快く思っていないからで、キックオフ前の選手紹介や試合中にやじられ、デンベレがボールを持つと口笛も響いていた。その中に、人種差別的な言葉もあったという。PSGは、バルセロナサポーターの行為を黙認することなく、UEFAへ抗議したわけだ。

 本人は、フランスの放送局「カナル+」に「ここバルセロナで口笛を吹かれることは、2021年にすでに経験している。それがパフォーマンスに影響するものではない。自分のプレーを変えるつもりはないし、試合に集中していた。ここで得点するためにすべてを捧げた。自分のパフォーマンスには満足している」と冷静に語っていた。

 デンベレは、バルセロナ時代の2019年に来日した際、FWアントワヌ・グリーズマンとともに日本人のホテルスタッフに対する差別発言をする動画が流出し、猛批判にさらされたことがある。