オリックスがロッテ・佐々木朗希投手(22)に厳しい目を向けている。30日のロッテ戦(ほっともっと)は宮城と佐々木の〝同学年対決〟となったが、宮城の8回5安打1失点、13奪三振の好投は報われず、0―1と惜敗した。

 一方の佐々木は7回を4安打無失点、10奪三振とオリックス打線を寄せつけず、3勝目をマークし「フォークがいいところに決まった。それに尽きると思う。相手ピッチャーもいいのでなかなか点が入りにくかったと思うけど、1点を取ってもらって助かった」と笑顔を見せた。

 すでに〝ネクスト由伸〟としてMLBから注目され、この日も6球団のMLBスカウトがネット裏から見守った。最速165キロの速球とフォークを武器に2022年4月のオリックス戦で完全試合を達成。MLB移籍を熱望し、球団の対応を含めて今オフの去就が注目されている。

 しかし、オリックスとしては山本と比較されるのは面白くない。3年連続で「投手4冠」とチームを3連覇に導く申し分ない貢献を見せ、世間に後押しされるようにポスティングシステムでドジャースに移籍。それに比べて佐々木はまだ2桁勝利もなく、貢献度も物足りない。昨季も夏場にわき腹痛で離脱。CS進出を果たすも、勝負がかかったオリックスとのファイナルシリーズでは登板なく終わり、勝利への執念を見せることはなかった。

 そのため、オリックスのフロント関係者はポテンシャルこそ認めながらも「一緒にされたくないですね。完全試合はすごいし、球も速い。でもそれだけでしょ。山本はシーズンを通してローテを守ったけど、佐々木は休んでばかりで大事にされすぎてる」とみており「成長はあまり感じない。投手として経験は積んでいるんだろうけど…」と手厳しい。

 その一方で「普通に考えれば実績や球団への貢献度とかの考え方なんだろうけど、彼はそういうこととは関係ないところで(移籍の)プランがあるのかもしれない」と勘ぐる声も聞かれている。

 すでに米メディアではドジャースやヤンキース、カブスなどが獲得に乗り出すとの報道が散見され、ドジャースと10年3億2500万ドル(当時約465億円)で契約した山本以上の大型契約まで取りざたされる。今後も〝朗希詣で〟がエスカレートしそうだが、オリックスとしては複雑だ。