魂を込めた熱い言葉だった。ソフトバンク・王貞治球団会長(83)が3日、若鷹たちへ直々に異例のメッセージを送った。

 三軍と愛媛マンダリンパイレーツ戦(筑後)の試合を電撃視察。1―2でチームが敗れた後、選手たちの前で「自分の意思でこの世界に入ってきたんだ。いつかはドームでやるんだと思うことが大事だ。考える習慣をつけると工夫の仕方が分かる。野球人生は短いんだからこそ、工夫しないといけない」と口にしながら激励した。

 それだけでは終わらない。「練習は準備なんだから、試合でどう結果を自分で作り出すかということなんだよね」と心構えについて助言を送り、さらに「いい結果を出すために自分で考えなさい。結果をうまく結果を出している人は、どういう風に出しているか。もし何だったら一軍の選手でも遠慮なく聞きにいくとかね」とも続けた。

 一軍のみならず二軍、そして三軍、四軍も戦力であり、誰が上がってきても構わない。三軍以下の面々は距離を感じているかもしれないが、実際の差はそこまでなく努力次第で上を目指すことは十分に可能だ。このように王会長は自由競争のスタンスを力説し、新しい戦力の出現を強く呼びかけた。

 王会長から金言を授かった育成2年目・重松凱人外野手(24)は「自分は去年の秋のキャンプでも話をしていただいて『君の課題はホームランを打つことだ』と、はっきりと言われた。昨シーズンはホームランを3本しか打てなかったですが、昨年秋から意識するようになって今年、シーズン始まって1か月しかたってないが結果(本塁打7本)に現れている」と胸を張った。

 首脳陣が求めている課題をクリアすれば、おのずと支配下登録のチャンスも見えてくるはずだ。重松は「試合でホームランを打つのは難しい。だからこそ、山川選手に試合でホームランを打つための準備をどうしているのかを聞きたい」と目を輝かせた。

 王会長のゲキを胸に刻んだ〝未完の若鷹〟たちは期待通り、羽ばたくことができるか。