大岩ジャパンのエースとなるのか。U―23日本代表は、パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU―23アジアカップ(カタール)で見事に優勝を果たし、8大会連続の五輪出場を決めた。今後、本大会へ向けて待望されるのが、パリ世代ながら招集したことがないMF久保建英(22=レアル・ソシエダード)の合流。だが、元日本代表FW武田修宏氏(56=本紙評論家)は〝招集回避〟を提言した。

 日本は無事に8大会連続の五輪出場を決め、今後は早急にチーム編成を進めていくことになる。

 6月の国際Aマッチデー期間は、A代表が北中米W杯アジア2次予選の突破をすでに決めていることもあり、オーバーエージ(OA)やパリ世代の欧州組は大岩ジャパンを優先する方針。大岩剛監督は今後の選考について「全体を見れば(OAを)使うことがあるかもしれないし、人数が少ないかもしれないし、U―23でいくかもしれない。本当にフラットな状態」と語っている。

 パリ五輪に向けて、OAとともに脚光を浴びるのが久保の招集だ。久保はパリ世代だが、これまではA代表を優先しており、大岩ジャパンでの招集には至っていない。それでも指揮官は久保の招集をかねて熱望しており、本番へ向けて実現するか注目が集まる。

 ただ、武田氏は招集を自重するよう進言する。「久保に関しては、自分の所属チーム(Rソシエダード)に集中したほうがいい。7月はシーズン前の大事な時期。そこに五輪でいないというのは選手にとってもチームにとってもリスクは大きい」と指摘。クラブのプレシーズンで不在となれば調整が遅れ、開幕に向けて出遅れる可能性がある。欧州のトップクラブでシ烈なレギュラー争いに身を置く久保は、今後の成長のためにもクラブを優先すべきというわけだ。噂されるビッグクラブへの移籍が実現すれば、なおさらだ。

 また「久保はフル代表もある。9月にまたすぐ最終予選があるので、そっちのほうがいいと思う」と武田氏は強調。久保はA代表の主力であり、9月には北中米W杯アジア最終予選が始まる。こちらに万全の状態で臨むためにも、五輪代表との掛け持ちによる酷使は避けるのがベターとみている。

 2012年ロンドン五輪でも、当時すでにA代表の主力だったMF香川真司(C大阪)の招集を関塚隆監督は希望して綱引きがあったが、最終的に招集は見送られている。悲願の金メダル獲得へ向けて、日本の至宝がパリの舞台に立つことはあるのか。