現役引退を表明したフィギュアスケート男子の元世界王者・宇野昌磨(トヨタ自動車)が、先輩スケーターに感謝の言葉を寄せた。

 2014年ソチ五輪&18年平昌五輪金メダルの羽生結弦、22年北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)とともに男子フィギュア界の一時代を築いた宇野は、平昌五輪で銀メダル、22年北京五輪でも銅メダルを獲得。世界選手権は22、23年に日本男子初の連覇を達成した。

 14日に都内で行われた引退会見では「まさか僕がこういう選手になれると思っていなかった。本当にフィギュアスケートと出会えて、すごく感謝とともに驚きのことばかり」と目を丸くした。

 そんな宇野にとって羽生とチェンは特別な存在だったという。「2人は僕にとっては本当に雲の上の存在。いつか同じ立場で戦えるようになりたいと常々思う、すごいスケーターだった」と切り出した上で「僕が果たしてそこにたどり着けたかどうかは分からないけど、それでも僕なりの全力のフィギュアスケート人生を送れたかなと。本当に2人の人間性というもののすばららしさが僕は記憶に残っている」と振り返った。

 今後は競技に出会ったきっかけとなった浅田真央や羽生と同じプロスケーターとしても活動する。長きにわたって応援するファンに向けて「本当にとても感謝している。今後もプロとしてスケートという道を続けていくことに変わりはないので、引き続き応援してくれるとうれしい」と呼びかけた。