MLBの新人王を決める資格を巡る議論が、またもや激化しそうだ。

 ドジャース専門メディア「Inside the Dodgers」は26日(日本時間27日)、「日本の1年目の投手がルーキーと新人王を争う正当性には議論がある」と報じた。例に挙げられたのは、今季からドジャースでプレーする山本由伸投手(25)とカブスに加入した今永昇太投手(30)の2人だ。

 現在、負傷者リスト(IL)入りしている山本は14試合で6勝2敗、防御率2・92、今永も14試合で7勝2敗、同2・96とメジャー1年目から上々の成績を残している。しかし、同メディアは「日本の1年目投手の多くは日本のプロ野球の経験がある。今永は8年、ドジャースのエース山本は7年、合わせて15年のNPBでの経験がある」と両投手のキャリアに触れ「プロ野球初年度の新人選手たちと新人王争いをすることは公平なことなのか、という疑問がある」と指摘した。

 こうした論争は過去にも何度も起こり、2001年にイチロー(マリナーズ)が打率3割5分、8本塁打、69打点、56盗塁の好成績を残して新人王を獲得した際にも物議をかもした。

 同メディアは米データサイト「ファングラフス」のWARで山本が1位、今永が2位ながら、ナ・リーグの新人投手でドジャースのストーンが3位、スキーンズ(パイレーツ)が4位につけていることに言及している。

 その一方で「ジ・アスレチック」の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏の見解も紹介。そこでは「私の見解では、MLBは正しい」と断言し「確かに今永は典型的な新人ではないし、マイナーリーグ出身の20歳の若者でもない。だが、アジア出身の選手が北米にやって来てメジャーリーグで活躍し、新しい文化、新しいリーグ、新しい野球に適応する課題に直面していることを考えると、困難さが増し、彼らが成功するのはさらに難しくなる」と好意的に受け止められていたが…。

 最後には「真のルーキーの成功から評価を奪っていると反論する人もいるだろう。スキーンズスとストーンがこの調子でいけば、また9月にもこの議論が表面化することを期待したい」と締めくくっている。