青森県弘前市は来年1月から約2カ月間、市内の高校生に鉄道やバス、乗り合いタクシーを定額乗り放題(サブスクリプション)で利用してもらう社会実験を行う。便利で割安な乗り放題制度の仕組みなどを探り、弘前型のMaaS(マース、IT技術による複数の公共交通の一体的利用)の将来的な導入を目指す。28日に市役所本庁舎で開いた地域公共交通会議で明らかにした。

 定額乗り放題実験は、県から受託したマース実装事業(3年間)の初年度事業。定額料金を事前に払い、スマートフォンのアプリなどを使って弘南バスと弘南鉄道、乗り合いタクシーに何度でも乗車できる。対象は100人の見込み。料金や支払い方法、対象エリアは今後検討し、11月ごろ利用者を募集する予定。

 弘前型マースでは、通勤通学などの足を自家用車から公共交通へシフトさせ、交通渋滞の改善や、子を学校に送迎する親の負担軽減、二酸化炭素(CO2)の排出削減などを目指す。3年かけ、多くの市民に選ばれる乗り放題制度や交通網づくりにつなげたい考えだ。市地域交通課の羽賀克順課長は「将来は周辺市町村も含めた制度にしたい」と話した。

 県内では、JR東日本の「TOHOKU MaaS」など観光客向けのマース導入例がある。