牝馬サリエラが71年ぶりの快挙を成し遂げる!
牝馬サリエラが71年ぶりの快挙を成し遂げる!

天皇賞・春2024

[GⅠ天皇賞・春=2024年4月28日(日曜)4歳上、京都競馬場・芝外3200メートル]

 いよいよ間近に迫ったGⅠ天皇賞・春。競馬ファンにとってはよく知られているかもしれないが、同レース過去10年間の勝ち馬のうち、15年=ゴールドシップ、16年=キタサンブラック、21年=ワールドプレミア、23年=ジャスティンパレスと最内枠の馬が4勝と突出して好成績を収めている。もっとも、阪神施行だった2回(21、22年)も含めての結果だから、いかに優秀な数字かがお分かりいただけるだろう。

 やはり究極の持久力勝負なだけあって、どの陣営にとっても距離ロスが少ない最内枠は喉から手が出るほど欲しい枠順。今回、その〝幸運枠〟を引き当てたのは関東のトップトレーナー・国枝厩舎が送り出す5歳牝馬サリエラだった。1953年のレダ以来、71年ぶりの牝馬による春の盾制覇を目指している。

 サリエラは栗東滞在で大一番へ向けて万全の体勢を敷いている。帯同中の椎本助手は「もう出来上がっているので、体調を整える程度です」と目下の充実ぶりを明かす。前走のダイヤモンドSは勝ち馬のテーオーロイヤルとクビ差2着。自身初の3000メートル超ながら、十分な長距離適性があるところを示した。

「もともと短くするよりは、長い距離のほうが競馬がしやすいかな、というイメージを持っていました。乗りやすい馬ですし、京都に替わるのは気にしません」

 今回は昨年のエリザベス女王杯(6着)以来、2度目の栗東滞在となる。「2回目だけあって、馬場での落ちつきはぜんぜん違いますね」(同助手)。アップダウンが激しい栗東の逍遥馬道に苦しむ関東馬も多いが…「初めての時は戸惑っていましたけどね。その点も2回目の効果を感じます」。悔し涙をのんだエリザベス女王杯の調整過程で得た〝経験〟も盾奪取を後押しする。

 さらに心強いのは、当レース最多8勝をマークする武豊を鞍上に迎えたことだろう。これには椎本助手も「1番勝っている人。勝ち方を知っていますからね」と笑みを浮かべていた。

 枠順×距離適性×経験値×鞍上のベストマッチで臨むサリエラ。新緑の淀で、歴史的勝利をつかんでみせる。

著者:東スポ競馬編集部