縁のある天皇賞・春で見事テーオーロイヤルを勝利に導いた菱田裕二
縁のある天皇賞・春で見事テーオーロイヤルを勝利に導いた菱田裕二

 先週の4月28日、京都競馬場で行われたGⅠ天皇賞・春を制したのはテーオーロイヤル。見事に勝利に導いた鞍上は菱田裕二騎手(31=栗東・岡田)だった。

 父に連れられて、初めて来た競馬場が京都競馬場。2004年の天皇賞・春が行われた当日だったという。

「イングランディーレが逃げ切った日でした。初めて競馬場に来たことでジョッキーに憧れるようになりました」

 騎手を目指し競馬学校に入学。1年留年を経験したが、諦めることなく卒業すると、12年に無事デビュー。翌13年にはディアセルヴィスでGⅠ・NHKマイルCに参戦。早くもGⅠ初騎乗を果たすと、さらに翌年の14年にはタガノグランパとのタッグで日本ダービーや菊花賞、有馬記念ではラストインパクトにも騎乗してGⅠに次々と挑んでみせた。

「ラストインパクトでゴールした時、勝ったジェンティルドンナのお尻が目の前にあり(0秒2差7着)、もう少し何とかできれば勝てたのでは?!と悔しく思いました」

 しかし、近そうに思えたGⅠの頂にはなかなかたどり着けなかった。今回の天皇賞がデビュー13年目で30回目となるJRAのGⅠ騎乗。応援に駆けつけた家族の前で、見事に1番人気に応えての勝利は本当にうれしかったことだろう。新たなGⅠジョッキーが、今後ますます活躍することを期待して、応援したい。(平松さとし)

著者:東スポ競馬編集部