京都新聞杯2024

[GⅡ京都新聞杯=2024年5月4日(土曜)3歳、京都競馬場・芝外2200メートル]

「今日は馬場が重かった」

 1日の栗東トレセン。追い切りを終えた厩舎関係者からは、こんな声が多く聞こえてきた。前日の雨の影響もあったろうが、この日の理由はほかにもあるようで…。

「今、坂路は前半部分のチップの入れ替えをしているんだ。力の要る馬場になっている分、ラストもいつもより時計がかかる印象だったね。今日の馬場でしまい11秒台で上がってくるのは結構な脚力がいると思うよ」

 調べてみると1日の栗東坂路でラスト11秒台をマークしたのはわずか2頭。土曜東京11R・プリンシパルSに出走するヴィレム(牡3・藤原=4ハロン52・0ー11・8秒)と土曜京都11R・京都新聞杯に挑むタガノデュード(牡3・宮=4ハロン53・6ー11・9秒)しかいなかった。前者は体重の軽いジョッキーが乗ってのものだったが、後者はより負荷のかかる助手が騎乗してのもの。狙い目となるのはタガノデュードのほうかもしれない。

坂路を鋭く駆け上がったタガノデュードが怖い
坂路を鋭く駆け上がったタガノデュードが怖い

 管理する宮調教師もタガノデュードについて「相変わらず稽古は動くし、能力は重賞でも通用すると思う。前走(アーリントンC10着)はスローの展開が向かなかったとはいえ、上がりは33秒0。この馬も脚は使っているからね。かみ合えばもっとやれていいはずなんだ」と手応え十分。初の2200メートルについても「もちろん対応してくれると期待しているし、今回は競馬でメンコを着ける予定。それもいいほうに出てくれれば」ならマークして損はない。

 昨年のGⅠ朝日杯FSで単勝15番人気の低評価を覆して5着に激走した実力馬が、ここもアッと言わせる快走劇でダービー切符を手にするかもしれない。いずれにせよ、マークしておいて損はない1頭だ。

著者:東スポ競馬編集部