ジョッキー仲間が集合
ジョッキー仲間が集合

 4月14日の中山競馬場で最終騎乗を終え、騎手としての現役生活にピリオドを打った勝浦正樹元騎手(45)の引退式が4日、東京競馬場で行われた。最終レース終了後ながら、多くのファンがねぎらいの拍手で出迎えた。

「最終騎乗の日はいつもと変わらない感覚で、緊張もせずに一日が終わったなという感じだったんですけど、今はメチャクチャ緊張しています」と開口一番、素直な気持ちを語った勝浦元騎手。

 JRA通算967勝(重賞17勝)。デビュー当初の映像を振り返った際には「いや〜、本当に今だから言えることですけど、本当に下手でしたね。最後まで決して上手じゃなかったですけど(笑い)」と詰めかけたファンの笑いを誘った。

 騎手時代の思い出について聞かれると「いろいろ聞かれることが多いですけど、お世話になった西山(茂行)オーナーの〝馬が作る人の縁〟という言葉が自分の大好きな言葉で、自分の人生そのものだったなと思います。なので本当に、いろいろな人と出会えたことが一番の思い出ですし、一番の財産です」と言葉を詰まらせ、花束贈呈ではその西山オーナーも登場し、抱擁とともに涙ぐむシーンも見られた。

花道をくぐる勝浦
花道をくぐる勝浦

 また、JRA最年長現役ジョッキーの柴田善臣は「長い間、お疲れさまでした。俺のほうが長くやっているんですけど。俺の辞めるタイミングを逃したかなと思いましたが、体に気をつけて僕らを応援してください」とエールを送った。

 最後には「まずは今日このような引退式を執り行ってくださったJRAの関係者の方々に感謝いたします。現役生活は28年でしたが、競馬学校も入れると31年間。JRAの関係者の方々には大変お世話になりました。本当に感謝申し上げます。そして、最終レース後にもかかわらず、残っていただいたジョッキー、関係者の方、報道関係の方、そしてファンの皆様、本当にありがとうございます。これから現場は離れるのですが、やっぱり競馬を見ていてとても楽しいですし、競馬は素晴らしいと思います。これからはファンの皆様と同じ立場として、外から競馬を盛り上げていけるように頑張りたいと思います。今後は自分が騎手として経験してきたことを伝えながら、競馬の魅力を伝えることができればと思っております。28年間本当にありがとうございました。これからは元騎手・勝浦正樹をよろしくお願いします」と万感の思いで締めくくり、2度、3度とジョッキー仲間たちの惜別の胴上げで宙を舞った。

胴上げされる勝浦
胴上げされる勝浦

著者:東スポ競馬編集部