区内で活動する「かえでこども食堂」のスタッフたちが3月10日と11日の2日間、能登半島地震被災者の避難所となっている石川県金沢市の施設を訪れ、炊き出しのボランティア活動を行った。

同こども食堂は佃野町のレアールつくの商店街にある「喫茶ラズベリー」で毎月開催。学生や主婦など幅広い世代の有志が協力して実施している。

今回のボランティア活動は、同店を営む高内左枝子さんが震災後に「何か自分たちができることはないか」とスタッフと相談。2月に同商店街で募金活動を行い、区社協を通じて13万6673円を被災地に送った。そして、現地で炊き出しに協力する案も上がり、ボランティアに向かうことを決めた。

温かい食事を提供

当日は、食堂のスタッフ6人で金沢市にある約40人が避難している施設へ。まだ寒さも残る時期で温かいメニューを提供したいと、栄養バランスも考えてクリームシチューや野菜のスープ煮などを作った。避難所では物資は整っているが偏りがある印象で、「我々の想像以上に不便なことが多いのだろう」と高内さん。でも、被災者や現地の行政関係者がとても親身で、「その温かさに心を打たれた」と話す。

震災から2カ月以上が過ぎても復興が進まず、故郷に戻るか、新たな地での生活を選ぶべきか悩む被災者の姿もあった。

「今回だけで終わらせず、またボランティアに行きたい」と話す高内さん。「被災者の皆さんの言葉には重みがあった。先行きの見えない不安や葛藤を抱える皆さんに少しでも寄り添えたら」