金沢区PTA連絡協議会(油原貞治会長)は、児童が使って役目を終えたランドセルを海外へ寄付する企画を初めて行った。協力を呼び掛けて集まったランドセルは計352個。4月2日に寄付団体の倉庫へ運び、夏ごろに団体からアフガニスタンの子どもたちに届けられる予定だ。

役目を終えた品を活用

金沢区内31の市立小中学校のPTAから、役員が選出されて活動を行う同協議会。日頃は研修会などを企画して意見交換などを行い、各校のPTA活動を支援している。コロナ禍を経てここ数年は活動が止まっていたが、昨年度から活動を再開させる中で新たな取り組みを検討していた。

そこであがった意見の一つが、ランドセルの寄付。小学4年の国語の教科書にも取り上げられている化学メーカー・クラレの「ランドセルは海を越えて」プロジェクトをもとに、同協議会の中島健次副会長が提案した。

同プロジェクトは、まだ十分に使えるランドセルを紛争と混乱が続くアフガニスタンへ送り、現地での教育に役立ててもらう取り組みだ。「個人でも寄付はできるけど、区全体の大きな規模で何か活動をしてみたかった」と中島副会長。その他の役員らも賛同し、昨年12月頃から区内の各小中学校PTAを通して各校で寄付を呼び掛けた。

地元企業も協力

2月末まで寄付を募った結果、15の小中学校から協力の申し出があった。卒業を控えた6年生や中学生から寄せられたランドセルは、合計で352個。未使用の文房具もあわせて集まり、中には1校で100個を超えるランドセルの寄付もあった。

協力する各校の意向をもとに、油原会長らが3月28日と4月1日の2日間で各校を巡ってランドセルを回収。翌2日には、区内福浦に本社を構える(株)アイダスト(杉山哲平社長)の協力を受け、同社のトラックで埼玉県にある寄付団体の倉庫まで配送した。

油原会長と杉山社長は地元の少年野球チーム「金沢スカイヤーズ」で親交があり、「地域貢献や子どもたちのためになれば」と杉山社長は無償で協力を引き受けた。

ランドセルは、全国各地から集まった他の寄付品とあわせて夏ごろにアフガニスタンへ配送される予定だ。「PTAだけでなく、多くの方々の協力でここまで実現できた」と中島副会長。油原会長は「世界を見れば、勉強がしたくてもできない子がたくさんいる。皆さんにそうした状況を知ってもらい、少しでも子どもたちの役に立てれば」と話した。