泉区中田東のラーメン店「雪ぐに」店主の柴田雅大さん(38歳)が、鎌倉市内の難民支援施設でラーメンによる支援を続けている。5月22日にも利用者らに無料でふるまうイベントを控えており、「心を込めた一杯で笑顔になってもらえたら」と思いを語る。

鎌倉の施設で

柴田さんは昨年5月から、鎌倉市内の難民支援施設「アルペなんみんセンター」で年2回ほどボランティア活動に参加。この事業は湯河原の人気店「らぁ麺飯田商店」店主の飯田将太さんが始めたもので、現在は7店ほどの店主が賛同して続けられている。

すでに人気店を営んでいた飯田さんが数年前に雪ぐにを訪れたことがきっかけで柴田さんと交流が始まったといい、「料理への姿勢も尊敬でき、そんな飯田さんの取り組みと聞いて興味をもった」と柴田さん。難民を巡る問題について学ぶうち、「みなさん不安の中で暮らしている。僕らにとっての普通の暮らしがいかに幸せかと考えさせられた」と話す。

海外からの難民の人たちの中には人生で初めてラーメンを食べるという人もいる。「美味しい一杯を作って、良い思い出になったらいいなと思います」と笑顔を見せる。

「良い食事体験を」

戸塚区で育った柴田さんは幼い頃から親戚の住む新潟県妙高市を訪れる機会が多かったという。会社員時代を経て、思い入れのある同地に関わる仕事ができればと、新潟の人気ラーメン店「食堂ミサ」で経験を積んだ。同店の味をベースに29歳の時に泉区で開業し、試行錯誤しながら、店を切り盛りしてきた。

今なお他店を訪れては「良いなと思うサービスなどは取り入れるようにしています」と話す。大切にしているのは「美味しいラーメンだけ作ればいいわけじゃなく、接客や空間も含めて良い食事体験をしてもらえたら」との思い。「多くの人に笑顔になってもらえたら」と語った。