師岡熊野神社(石川正人宮司)で4月29日、宮神輿の奉納が行われた。

今年、創建1300年を迎えた師岡熊野神社。氏子からなる千三百年祭奉祝行事祭礼委員会では、さまざまな奉祝・祭礼行事が計画され、その一環として宮神輿御造営委員会により宮神輿の造営が進められていた。

宮神輿とは神社が保有する神輿のこと。町会の神輿は一般的に町神輿などと呼ばれる。地域のコミュニティ深化への思いを込めた宮神輿は、千葉県市川市の中台製作所が製作した。

当日、奉納式に向けて、同御造営委員会が中台製作所から宮神輿の引き渡しを受ける納受式が行われた。その場で町内氏子が手がけた、宮神輿の御簾を構成する瓔珞(ようらく)の取り付け=写真=などの最終仕上げが行われ、完成した宮神輿が氏子の手に納められた。

宮神輿を受領した同御造営委員会の鈴木聡総代会長は、地域の多くの協力によりこの日を迎えた経緯に触れ、「本当に喜ばしい限り。宮神輿と向き合える街になった」と明るい表情を見せた。

続く同神社への宮神輿奉納式では、奉納奉告祭に続き奉納証書等が取り交わされ、師岡熊野神社の宮神輿とする口上が述べられた。完成した宮神輿を前に、石川宮司は「これ以上のものはなく、感動している。皆が心を寄せてできた事実は、末代まで語り継がれるべき」と話していた。

お囃子の復活も

およそ半世紀ぶりに復活した師岡お囃子の会(今井悦子リーダー)のお披露目でもあったこの日。子どもから大人まで約20のメンバーが、指導を受けてきた潮田囃子とともに、練習を重ねてきた成果を発揮し、リズミカルな奉納演奏で行事に花を添えた。