京王電鉄株式会社(多摩市関戸)はこのほど、「聖蹟桜ヶ丘での地域と連携したまちづくり」について、開発の経緯や現状の取り組みなどの公表を行った。昨年、多摩川河川敷に「せいせきカワマチ(芝生広場)」や商業棟などが完成したこともあり、今後はハードだけに頼らない多様な賑わいのあるまちづくりを進めていくとした。

多摩市と連携協定

会場は京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターで、聖蹟エリアのまちづくりなどに携わる開発事業本部のスタッフらが参加。あいさつ立った開発事業本部SC営業部長の古屋圭子さんは「関戸は古くから栄えていたまち。時代が進み、総合開発の際には弊社がこのエリアのまちづくりに携わらせていただいた。今は地域の方々とさまざまな取り組みを行っており、まちを盛り上げていきたいと思っている」とコミュニティの発展に取り組んでいる現状などをマスコミ向けに話した。

同社は本社機能を関戸に置いてから今年で36年目になる。2013年には同社初となる自治体との包括連携協定を多摩市と締結。最近では多摩川河川敷を利用した「かわまちづくり計画」をもとにした新たな開発に取り組んでいる。

川のある豊かな日常を

昨年には、地元桜ヶ丘商店会連合会、東京建物株式会社と一般社団法人聖蹟桜ヶ丘エリアマネジメントを発足させ、河川敷エリアにできた「せいせきカワマチ」を中心にエリアの活性化をしていく協定を市と結んだ。

開発事業本部の聖蹟桜ヶ丘プロジェクトチームの北田明さんは「ハード更新に依存せず、様々な取り組みを重ねながらまちの価値を高めていく。その中でかわまちづくりという話がでてきた。近くにある多摩川での多様な過ごし方を提案して活性化させたい」と話した。

SCの役割について

オープンしてから約40年が経つ京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターにおける地域連携の取り組みについては、新旧様々な地域イベントに関与し、地域活性化に貢献している。

せいせき桜まつり、せいせき朝顔市、KAOFES、せいせきみらいフェスティバル、せいせき音フェスなどのイベントに参画している。また、近隣大学などとの産学連携、地産地消をテーマに「多摩市の野菜deごちそう祭」「せいせきビールまつり」などを開催している。

開発事業本部SC営業部の山路直さんは「ショッピングセンターは、すでに普及しているECなどといかに差別化していくことが重要かと考えている。商業施設の屋上ではヒーローショーなど子どもの頃の記憶が私には残っている。楽しいまちづくりにして、将来、聖蹟に戻るきっかけづくりにも力を尽くしたい」と話していた。

今後、商店街やショッピングセンター、聖蹟桜ヶ丘駅、多摩川の回遊性をよくするために、主動線の一つとなっている東高架下エリアの改装も予定している。