横浜市内有数のホタル観察スポット、寺家ふるさと村=青葉区寺家町。例年多くの人が訪れる一方、路上駐車による通行障害と安全対策が課題だ。5月14日には寺家町内会と寺家ふるさと村四季の家が中心となって路上にカラーコーンを設置。対策を続けている。

ホタルは年によって変わるものの、5月下旬から梅雨入りまで、午後8時頃から9時過ぎが見頃で、市内外から多くの人が訪れている。一方、公道にも関わらず車を停めて観察する人が相次いだため、昨年から寺家町内会と四季の家が、市や青葉警察署と相談の上、特に人が集まる水車小屋の先から大池の手前までカラーコーンを設置して対策を始めた。この区間はホタル観察の人気スポットである以前に、町田市方面に抜ける生活道路であり、地域住民の通行に支障が出ていた他、道幅が狭い上に街灯もなく、路上駐車による見通しの悪さから歩行者にも危険だったという。また、Uターンできる場所も限られているため、立ち往生する事例もあったと四季の家職員は説明する。昨年はカラーコーンの設置で一定の効果があったとして、今年も7月初旬まで設置を予定している。

生育に影響も

通行障害や安全対策以外にも、車の利用はホタルの生育に影響が懸念される。四季の家職員は「ホタルが光るのはペアを見つける繁殖行動。車のヘッドライトによってペアを見つけられないなどの影響も考えられる」と話す。因果関係は明らかではないが、ふるさと村全体でホタルは減少傾向だとして「ホタルが育つ環境を守りたい」と四季の家職員は話す。

四季の家にも50台分弱の駐車場はあるものの、この時期の来村者の受け入れには足りないのが現状。昨年はカラーコーン設置場所以外の住宅地エリアに路上駐車があったことも踏まえ、四季の家の職員は「車での来村は控え、徒歩やバスでお越しください」と強く呼び掛けている。

なお、寺家ふるさと村へは青葉台駅から東急バス青31系統「鴨志田団地行き」終点下車ほか。