市立寛政中学校で5月15日、「移動型交流カフェ」が初開催された。部活動減少など生徒の放課後活動が減る中で、新たな居場所や地域との交流を目的に行われたもの。同校の中村雅一校長は「カフェでリラックスして談笑するなど生徒たちも楽しんでいた。今後も放課後の場を提供していけたら」と話した。

今回の移動型交流カフェは、青少年の体験活動の推進などを目指す(公財)よこはまユースが主催するもの。同校では昨年度に野球部とサッカー部が廃部になるなど、生徒の放課後の体験や活動機会の減少を危惧していたところに同財団の話を聞き、今回のカフェが実現した。

同カフェは市内の施設などに大人や大学生世代の若者がスタッフとして出向き、青少年が無料で飲食できたり、ワークショップなどに参加して交流を楽しむもの。これまで市内の高校や施設で実施されてきたが、中学校では初めての開催。主催するよこはまユースの山中梓さんは「子どもたちの笑顔を絶やさぬため、今後もこのような青少年の居場所づくりの活動を続けていきたい」と話す。

当日は、同校の広場に軽トラックが登場。テーブルや椅子が並べられ、突然登場した”カフェ”に興味津々の生徒たちでにぎわった。

同カフェの実施にはNPO法人など様々な団体が協力。会場では生徒たちがシルクスクリーン印刷のワークショップなどを体験したほか、近隣自治会の会長や保護者らも参加し、生徒たちとの交流を楽しんだ。同校教諭からは「普段より自然体の生徒たちと触れ合えた」といった声も聞かれた。参加した生徒の1人、嘉多山葵さん(13)は「友達とゆっくりできる場所でもあり、普段は落ち着いて話せない先生や大人の人たちとも交流できて楽しかったです」と笑顔で語った。

同校では今後、放課後の学習支援を取り入れることも検討していて、中村校長は「今回多くの生徒が足を止めて参加してくれて、反応も良かった。今後も生徒たちの放課後を充実させる機会を提供していきたい」と語った。