花水小学校5年生の堀口奈々美さん(桃浜町在住)が、4月29日に横浜市の神奈川県立音楽堂で開催された「第40回かながわ音楽コンクール」のユースピアノ部門小学校低・中学年の部で最優秀賞と特賞にあたる神奈川新聞社社長賞のダブル受賞に輝いた。

堀口さんが出場した同部門には県内外の5歳から高校生まで397人がエントリー。本選には2次にわたる予選を通過した45人が出場した。

堀口さんはグリーグ『ワルツ』とモーツァルト『ソナチネ』を披露。会場には学校の友人やスクール関係者が駆け付け、「演奏中も心強かった」と振り返る。

大きなミスなく弾き終えた堀口さん。同じ曲の組み合わせの出場者も多数いる中、楽譜に表れないテンポや音の強弱、奏法など独自の曲の解釈が審査員に評価され、最優秀賞と特賞のダブル受賞を果たした。「演奏中より終わった後の方が緊張した。受賞できてうれしい」と喜びを語った。

上級コースへ挑戦

堀口さんは6歳から市内の大村楽器店音楽教室でピアノを始めた。両親ともにピアノの経験は無く手探りの状態だったが、幼稚園での初入賞を機に熱中。小学1年生の時に同コンクールで大会史上最年少の最優秀賞と特賞、3年生でも特賞を受賞するなど実績を重ねてきた。

昨年から、講師の勧めでさらにレベルの高い教育が受けられる「ヤマハマスタークラスピアノ特別コース」のオーディションの準備を進めてきた。今回のコンクールと時期が重なるため当初は出場を見送る予定だったが、「学校の友達と本選を見に来てもらう約束をした」と、締切直前でエントリー。準備期間も短い中、コンクールとオーディションの曲の練習にまい進した。

3月にマスタークラスに合格し、コンクールでも2度目のダブル受賞という快挙を果たした堀口さん。5月からは週に1、2度都内に通い、中学生や高校生に囲まれながら切磋琢磨している。

堀口さんは「これまで課題として出されるのは1曲とかだったのに、今では1冊まるまる渡されて大変」と厳しい環境にも充実した様子。しばらくはコンクールに出場せずレッスンに専念するといい、「一番の目標は世界3大大会の一つ、ショパンコンクールに出ること」と意気込みを語った。