夏の風物詩として広く親しまれてきた「高津区民祭」が、今年は秋に移行する(開催日は10月27日(日))。主催関係者は「パレードの規模など基本スペックは(コロナ禍以前の)5年前を目指す」と、意気込みを語っている。

高津区民祭は1974年から始まり、来場者数20万人(警察発表)を数える市内でも最大規模の「区民祭」。近年はコロナ禍の影響で中止を余儀なくされたが、区民から地元文化の維持・継続を期待する声が相次いであがり昨年、規模や内容を縮小しながらも4年ぶりの開催に漕ぎつけた。

広く協力を呼びかけ

例年、大山街道を中心とした会場で行われるこの催し。毎回7月下旬から8月にかけて日程が組まれてきたが、今年は10月27日に開催されることが先頃、実行委員会から発表された。この理由について、副実行委員長を務める関口能長さんは「猛暑の中での開催を避けるため」と説明。その上で「今年は市制100周年の大きな節目。市内最大の区民祭に積極的に参加してもらえれば」と話し、会場近隣の町内会や商店街の関係者などにも広く協力を呼び掛けている。

一方、前回は大幅に距離が短縮された主要プログラムの「パレード」については、コロナ禍前の規模での実施を予定している。高津スポーツセンター前から大山街道に出て、栄橋交差点までの約1・5Kmを神輿やお囃子、マーチングバンドなどが練り歩き、催しに彩りを添える。

「フルスペック」標榜

川崎市内の区民祭は、大半の地域で行政が主体となり行われるのに対し、高津区民祭は町内会、自治会、各種団体等が行政と実行委員会を組織して主催するのが特徴のひとつ。「フルスペックに近い形での開催」(関係者)を標榜し、区民が一丸となり準備に取り掛かっている。