数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「n進法」について解説します。

思い出してほしい「2進法」のロジック

今回は、まずこちらのクイズから考えてみましょう。

問題:片手を使って数えられる数はいくつまでですか?

いかがでしょうか。おそらく多くの方は「5」だと考えるでしょう。実際にこの数え方を使ってものを数えたり、何かを表現したりすることもあると思います。

しかしこの問いを僕の周りの東大生に投げかけると、「31」や「32」と答える人が現れるのです。これは驚きですよね。

この「31」や「32」はどのようなロジックで導き出されているのか。ここに中学校や高校の数学で習う「2進法」という数字の考え方が隠されているのです。