子どもの自己肯定感を育むためには「声かけ」が大事だとわかっていても、実際は「ついついイライラして叱ってしまう」保護者が多いのではないでしょうか。また、パートナーや祖父母の子どもへの接し方が気になる、ということもよくあります。このようなときどうすればいいのでしょうか?

全国各地で母親対象のカフェスタイル勉強会「Mama Café」を年間130回以上主催し、1万人以上から相談を受けてきた石田勝紀さんと、NHK「すくすく子育て」元キャスターで、親子コミュニケーションアドバイザーとして講演や企業セミナー講師を務める天野ひかりさんの対談から、そのヒントを探ります(本記事は、教育ニュースレター「Discover Edu!」のイベントでの対談内容から一部を抜粋し、再編集したものです)。

前編:子の自己肯定感育む「親の言葉かけ」誤解なき方法

子どものやる気を引き出す「声かけ」とは

石田:お悩みを1つご紹介します。「ついついイライラしてしまい、叱ってしまいます」という内容ですね。

「日々の生活の中でイライラして叱ってしまい、後で自己嫌悪に陥ることがあるそうです。天野さんの著書を参考にした声かけをしたいのですが、とっさに出てこないことが多い。どのようにしたらもっとうまく子どもと関われるようになるでしょうか?」

確かに、自分の中に言葉が入っていないと、とっさの時に出てこないというのはありますね。

天野:こうしたご質問はよくいただくのですが、2つのアプローチ方法があると思います。

1つ目は、お母さん・お父さんがイライラしてしまう本当の原因を探ってそれを解消すること。子どもに対して普段と違う言動をしてしまうのは、子どもが原因ではなく、別のところにイライラがあるからです。

仕事上のストレスやママ友とのトラブル、パートナーへの不満など、みなさんありますよね。子どもはたまたま、そのイライラのはけ口になってしまっているんです。

いくら言葉かけをがんばろうとしても、根本的な問題を解決しないと難しい。自分ががんばりすぎていないか、イライラの原因と向き合って解消し、フラットな状態で子どもと向き合えるようにすることが大切ですね。

天野さんと石田さんのイベント風景 イベントで対談した石田勝紀さん(右)と天野ひかりさん(写真:Discover Edu!)

2つ目は、子どもの視点に立つこと。

具体的には、オウム返しと実況中継です。オウム返しは、子どもが「やだ」と言ったら、「やだね」と同じ言葉を返す。