(1)勉強内容を面白い遊びのようなものととらえている

子どもたちの中には、勉強のような一見つまらなそうなものを、面白いことに変換してしまう子がいます。具体的に統計を取っているわけではありませんが、筆者がこれまで直接指導してきた4500人の子どもたちから推察すると5%程度の子が元々そのような状態でした。

例えば、つまらない知識はダジャレにして覚えてしまうことや、文章題に出てくる内容を自分の体験とつなげて理解してしまいます。算数の文章題で太郎さん花子さんが出てきたら、これを自分の好きなアニメであるコナンと蘭に置き換えて理解するなどです。

また、新しい四字熟語を学ぶと、それをすぐに使って“遊び”ます。例えば、「四面楚歌」であれば、「ぼくは家で四面楚歌状態なんだよね〜」など普段の会話に織り交ぜて使っていきます。まるで勉強した知識を、遊びや日常会話のツールとして活用しているかのようです。

伸びる子は「なるほど!」と面白がる

間違った問題の答え合わせをしたときにも、伸びる子は、解説を見たり聞いたりして「なるほど!」と、面白がる傾向にあります。ゲームの攻略法を知ったときのような感覚です。

もちろんすべての勉強をこのようにやっているわけではありませんが、伸びる子たちは、勉強を「ゲーム、クイズ、なぞなぞ」の類として考えている傾向にあります。

一方、多くの子どもたちはそうではありません。つまらない勉強はやりたくない、知識を覚えるなどもってのほか、算数の計算問題は苦痛以外の何ものでもないと感じています。こちらのタイプが一般的なのですが、できる子たちを基準と考えると、このような子たちは怠け者、やる気のない子と断定されてしまいます。

しかし、そうではなく、一見つまらないものを面白くできるのは、レアケースであり、通常はできません。ですから、指導者がいるのです。指導者は、その一見つまらなそうな内容を加工し、わかりやすい形に変換して教えていく必要があります。

例えば、理科が楽しくて仕方がない先生に教えてもらうと子どもたちは理科が楽しくなっていきます。つまり、「理科は面白いもの」とインプットされたわけです。親御さんも、「勉強をしなければならないもの」ととらえるよりも、内容を面白がる、楽しむスタンスを取ることで子どもにそれが伝わり、「ひょっとして勉強は面白い?」と感じるようになっていきます。