植草:男性も女性も、下手すると中学受験を控えた小学生のころから「勉強だけしていればいい」と言われて、いい大学に入って、いい会社に入る以外の価値観について考える時間がない。だから料理が作れなかったり家事もほとんどしたことがなく、急に「結婚したい」と思ってもできない。

(撮影:尾形 文繁)

東村:それでいざ婚活を始めたら、家事を習得するというハードルが課せられるわけじゃないですか。結婚相談所のように教えてくれたり、応援してくれる人がいないとつらいですよね。

植草:誰かに引っ張ってもらわないと、一人で走れない人は多いですね。お見合いをしても待ち男と待ち子。次にいつ会うかすら決められない。当相談所では、ハウツー動画を作って見てもらったり、細かく教えています。

東村:マニュアルがないとだめなんですね。

「結婚は今より楽になるため」にするもの

東村:私は2回結婚し離婚したけど、結婚してよかったと思っています。

植草:会員さんにも再婚、再々婚の方が少なからずいます。聞いてみると意外とドロドロの離婚をしてるんですよ。それでもまた「結婚したい」とご相談にいらっしゃいます。

東村:メディアでは不倫など結婚の悪い例ばかりクローズアップされるけど、世の中、うまくいってる夫婦だっていっぱいいますよね。私は宮崎出身ですが、地元の同級生には20代で結婚して、そのまま時が止まったみたいに今も2人のムードが変わらない幸せなカップルがたくさんいます。

植草:「結婚すると大変」と愚痴を言う人がいるから、結婚は不幸なものと思われがちなんです。そのうえ、アラフォーになると「今さら誰かと共同生活をするのは無理。我慢するのは嫌だ」と考える人も多い。でも、結婚は我慢じゃないですよ。結婚は今よりも楽になるためにするもの。