Q:認知症の検査で親を病院に連れていくには?
A:嫌がる人を病院に連れていくのは難しい

認知症の診断を受けるメリットはいくつもあります。できれば早めに病院で検査を受けたいものですが、「自分は認知症かもしれない」と薄々感じていても、病院に行くとなると抵抗を感じるものです。

特に高齢の人は「精神科」などと言われると、「自分は気が狂ったと思われた」と拒否してしまうかもしれません。

「ウソをつく」ではなく「物語を作る」

私はよくご家族に「親御さんが受け入れやすいような『物語』を作りましょう」と話します。

たとえば「私、最近頭痛がひどくて病院に行こうと思うのよ。お母さんついてきてくれる?」と言って、いっしょに脳神経外科やもの忘れ外来を受診するのです。

あるいは「健康診断の案内が来ているから病院に行こうよ」と誘うのもいいですね。「親にウソをつくなんて」と考える人もいますが、そうではありません。

認知症の人の世界を大切にして、それに見合う物語を考えるということです。

いちばん身近な人には「イヤだ」が言いやすいものですから、遠くに暮らす息子などがいれば、その人に「いっしょに病院に行こう」と誘ってもらうのもいい方法です。