今から約130年前、現在の鳥取市などから福島県に移住した人たちの子孫が鳥取市を訪れています。
移住の歴史をまとめた記念誌を届け、27日は自身のルーツでもある地域に「里帰り」し、先祖に思いをはせました。

折口原開拓全史編集委員会・山本勝宏さん:
「こういう場所で苦労していたんだろうし、目の当たりにして感動ですね」

27日、鳥取市佐治町の静かな集落の風景に感慨を新たにしたのは、福島県西郷村から訪れた人たち。

今から約130年前、ここから移住した人たちの子孫にあたります。
自身のルーツでもある鳥取に「里帰り」しています。

折口原開拓全史編集委員会・山本勝宏さん:
「折口原にたどり着いたいきさつというのを、今の子孫の方がおられたら聞いてみたいですね。いるといいんですけど、実際にね」

直線距離で約560キロ離れた鳥取市と福島県西郷村。
実は明治時代に行われた住民の「開拓移住」でつながっていました。

移住から130年を迎えるのを前に、その子孫にあたる人たちが、未開の地を切り開いた先人の苦労の歴史をまとめた記念誌を制作、26日、鳥取市役所に届けました。

数年おきに氾濫を繰り返し、水害に悩まされた鳥取県東部・千代川流域の住民は、1896年、明治29年。当時、西郷村で進められていた開墾事業の耕作者として移住することを決意。現在の鳥取市佐治町や八頭町、智頭町などの21家族約100人が移り住みました」

そして、27日。西郷村の人たちは、鳥取市佐治町と河原町を訪れ、当時の地図や家々の表札を頼りに自身のルーツを探しました。

折口原開拓全史編集委員会・森下富夫さん:
「宝さがしと同じだ。ぶち当たるかどうかはわからない」

長い歳月を経て、集落の様子は様変わり。佐治町では、先祖につながる手がかりを見つけることはできませんでした。

折口原開拓全史編集委員会・高田雅雄副会長:
「先祖がこういう場所に住んでいたということや、昔の人のことを思い浮かばせます。西郷村の集落と似ている感じもする。やっぱり来て見て感じるものはあります」

遠く福島で望郷の念に駆られた先人たちに思いを寄せた西郷村の人たち。
鳥取と福島をつないだ先人たちの歴史を後世に伝えていきたいと話しています。