子育てのヒントを探る「こどもット」のコーナー。今回は、子どもの車内事故を防ぐための対応策を取材しました。

岡部楓子アナウンサー:
5月21日に東京都練馬区で、2歳の女の子が車の窓に首を挟まれ死亡するという痛ましい事故が起きてしまいました。なぜ事故は起きてしまったのか。時に凶器となってしまう「パワーウィンドウ」の恐ろしさについて、またこうした子どもの車の事故を未然に防ぐための予防策を聞きました。

車の窓ガラスの開閉をスイッチ操作一つで行う便利な「パワーウィンドウ」。誤った操作による事故が多発していて、使い方によっては危険を伴います。JAFの実験で、パワーウィンドウの閉まる力をゴボウでテストしたところ、いとも簡単に真っ二つになってしまいました。軽自動車でもこの力は変わらず、ゴボウより太い大根も真っ二つになるほどです。指が当たってしまったなどの誤操作や子供が意図せず開閉してしまうなど、時には凶器になってしまう危険性もはらんでいます。
ではこうした事故を防ぐためにどんな対応が必要かJAFを取材しました。

JAF島根支部・伊藤 昇さん:
パワーウィンドウのロック機能がついているので、間違って上げ下げしないように、ロックをかけることによってそうした事故が防げる。

子供が操作できないように、運転席側のドアにある「ロックスイッチ」をONにすることが重要だといいます。

JAF島根支部・伊藤 昇さん:
これからの時期は車内温度が高くなるので、そういった時に窓ガラスを開けて走行する車も多いと思う。子どもが乗っている側の窓ガラスは閉めて、それ以外の窓ガラスを開けて換気する方が良い。
その上で…。
「チャイルドシートをつけて、しっかりと正しく乗せることが必要。子ども用のベルトがついているので、しっかりとたるみのないように締めて、自分で動いて出ていかないようにつけてほしい。

今回東京で起きた事故、母親は女の子をチャイルドシートに乗せていたものの、ベルトを閉めていなかったということです。

JAF島根支部・伊藤 昇さん:
チャイルドシートにしっかりと乗せてあげていれば防げた事故ではなかったかと思う。

岡部 楓子アナウンサー:
子どもの命を守るチャイルドシート。6歳未満は着用が義務付けられていますが、警察庁とJAFが2023年に行ったチャイルドシート使用状況に関する調査では、その使用率が76%に留まりました。また適切に座らせることができていたのは、わずか47.9%と半数にも届いていません。チャイルドシートを正しく使わなかった場合、交通事故で死亡する割合は、正しく使用した場合の4倍以上に跳ね上がります。

チャイルドシートを使用せず、時速50キロで衝突した場合の衝撃を調べた映像です。親の膝の上に座っていた乳幼児は、衝突時の衝撃で前に投げ出され、座席に頭を強く打ち付けています。また時速40キロから急ブレーキをかけた場合でもダッシュボードに頭を強く打ち付けていました。

JAF島根支部・伊藤 昇さん:
チャイルドシートは、6歳未満の子どもを乗せるときに付けることが義務化されていますが、通常の座席のシートベルトは、構造上身長150センチ以上の大人向けに作られているので、6歳以上であってもその身長になるまではジュニアシートで子どもの座面を上げて、肩の部分にかけるベルトが首にかからないように調整してあげることが万が一の事故を防ぐために必要になってくる。

岡部楓子アナウンサー:
子供がぐずるから、すぐ近くまでだから。そうした油断が命の危険にさらしてしまう可能性があります。パワーウィンドウの使用方法の見直しに加え、チャイルドシートの適切な使用を改めて見直してみてください。