須賀川市仁井田にある和菓子店「桑名屋」は、今年で創業90周年。

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地元・須賀川はもちろん、近隣の郡山市などからも多くの客が訪れる人気店です。

---常連客「仁井田に嫁いで40年以上になりますが、ずっとお付き合いしてます。ここのお店はあんこが美味しい、とても優しい甘さ。」

---常連客「どれも美味しい、私は最中が好き。村のアイドルみたいな感じの店だね。無くしてはならない。」

特に、端午の節句が近いこの時期は「かしわ餅」が大人気。

開店直後には、何段にも積み重なった5個入りのパックが・・・

午前10時前には、あっという間に売り切れに。

---2代目・桑名保義さん「多い人は10箱くらい買っていく。朝は3時、お菓子屋はみんな早いから。」

朝早くから仕込んだ餅を、大急ぎで柏の葉で包んでいきます。

現在は3代目となった桑名屋。
高校を卒業後、東京の和菓子店で修業を積んだ裕一さんが、2代目の保義さんの後を継ぎ、今年で19年目です。

子どもの頃から、いつも和菓子がそばにあったという裕一さん。
和菓子職人を志すのは自然なことだったと話します。

---3代目・裕一さん「両親が毎日作っているところを見ていたので、自分も作ってみたいなという気持ちになった。」

繁忙期には、朝早起きして店を手伝うことも。
そんな裕一さんは東京での修行中、桑名屋では見ることのなかった、新たな和菓子と出会います。

それが『上生菓子』です。

---3代目・裕一さん「和菓子でこんなお菓子があるんだと驚いて、作るのにのめりこんでいった感じですね。」

こちらが、現在、桑名屋で販売されている「季節の上生菓子」です。

その名の通りデザインは季節に応じて変わり、今月はこれからが見ごろの牡丹や花菖蒲、それに鯉のぼりなどがあります。

原料となるのは、あんこに水あめなどを混ぜた「ねりきり」です。

---3代目・裕一​さん「和菓子屋はあんこが命だと思っています、なので小豆の選別もいろいろします。」

白やピンク、緑など、さまざまな色のねりきり。
これを別の色のねりきりで包み込んで丸め、手作業で形を整えたり、専用の道具で線を描いたり。

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すると、花びらに通る筋や、鯉のぼりの鱗など、さまざまな色や模様が浮かび上がってきます。

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---3代目・裕一さん「見た目は最初は普通のあんこですが、そこからどんどん形が変わって綺麗なお菓子になっていく、これが醍醐味ですね。味は一緒ですが、
見た目が違うだけでちょっと味が変わってくる、そういうところも面白いなと。」

福島の人に、この和菓子を見て、そして味わってほしい。
そんな思いを込めて、作り続けてまもなく20年。
裕一さんの上生菓子は、今では店の看板商品です。

---3代目・裕一さん「娘さんを連れてくるお客さんも多いんですけど、ショーケースに張り付いてずっと見ているのを見ると、興味持っているんだなと嬉しくなりますね。」

90年続く老舗の伝統を引き継ぐ。
裕一さんは、店で販売している和菓子の味を受け継ぎ、守り続けることが3代目の役目だと感じています。

---3代目・裕一​さん「味が変わった、と言われるのが1番怖いですね。今まで通り、が目標です。」

1つ1つ、丁寧に・・・

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長く愛してくれている1人1人のお客さんを思いながら、桑名屋は歩み続けていきます。

桑名屋菓子店
住所:福島県須賀川市仁井田東町33
TEL:0248-78-2115
営業時間:07:00〜18:00

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『ステップ』
https://www.tuf.co.jp/general?id=147
福島県内にて月〜金曜日 夕方6時15分〜放送中
(2024年5月2日放送回より)