きょう、5月10日から「愛鳥週間」が始まりました。こうした中、違法に捕獲した野鳥を販売した疑いで、福島県いわき市にある小鳥販売店経営の男が逮捕される事件がありました。

水津邦治アナウンサー「中からは小鳥のさえずりが聞こえます。店のシャッターは閉められ、店の前には鳥かごがたくさん置かれています」

部屋に並べられた50を超える「鳥かご」。たくさんの鳥が動き回っています。いわき市で小鳥の販売店を経営する塚本二治男容疑者(78)は、おととし12月ごろ、捕獲が禁止されているウグイスやメジロ、そして福島県の鳥キビタキなど、あわせて11羽をおよそ3万3000円で違法に販売した疑いが持たれています。

塚本容疑者

塚本容疑者は、違法に販売する鳥については、客の目に触れないよう二重の「隠し扉」の奥のスペースで飼育をしていたということです。

「常連客は密猟したものを仕入れて…」

塚本容疑者は「常連客が密猟したものを仕入れ、1年で最大100羽ほどを1500円から8000円で販売していた」と容疑を認めているということです。

警視庁は塚本容疑者から鳥を購入するなどした男女5人も書類送検していて、野鳥の入手ルートなどを詳しく調べています。

近所の人「誠実な方でおとなしくて、一生懸命仕事をする方だと私たちは思っていた。とてもそんなことをするとは思わなかった」

一方、こちらは、県内の別の小鳥販売店です。インコやブンチョウなど、およそ30種類300羽以上を取り扱っています。

小鳥は、問屋さんから仕入れ、買う人の住所と名前も書き留めています。

作山店長「どこから来てその鳥をどの客に譲ったかというのを残しておかなくてはいけない。売る方にも責任があるし、飼い主にも責任があるので、かわいがってもらうような方に飼ってもらって、最後まで責任を持ってもらわないといけない」

野鳥は「鳥インフル」媒介恐れも

きょう5月10日からは「愛鳥週間」。福島市の「小鳥の森」の施設長の長渡さんは、今回の事件について警鐘を鳴らしています。

福島市小鳥の森 長渡真弓さん「だいたいそこには人間の自分勝手な考えが入っているので、やはり自然のものは自然のまま、野鳥は森にいてこそ一番きれいですし声もきれいなので、そのまま自然のままに大切に守っていくというのが本来の姿だなというのはつくづく思いました」

また、警察は野鳥は鳥インフルエンザを媒介する場合もあり、認められていないものを安易に飼育したり、売り買いしないでほしいと呼びかけています。