福島県富岡町で19日、原発事故で避難を強いられた町の人たちの思いを伝える朗読劇が上演されました。

「東京電力福島第一原発と言ってもよ、東京電力の部分は言われなくて、福島第一原発ばかり言われっからよ、東京の人は知らなかったんでねえの?」

TUF

富岡町で上演された朗読劇。町の語り部などでつくるNPO法人が企画したもので、これまで5回上演されてきましたが、町内での上演はこれが初めてです。

朗読劇では、原発事故直後、郡山市のビッグパレットふくしまで避難生活を送った町民らの不安や葛藤などが描かれました。会場には町の内外から多くの人が訪れ、震災当時の記憶を思い出すように舞台を見つめていました。

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町民「私たちだって十何年も過ぎているので記憶が薄らいできている。劇を観て改めて思い返してきた」
いわき市民「私たちは集団で避難するという経験がないので、貴重な経験を聞かせていただいた」

伝える権利と義務、受け止める権利と資格

震災と原発事故から13年。その記憶と教訓の伝承を途絶えさせないためには…。伝える人たちも模索を続けています。

富岡町3・11を語る会 青木淑子代表「全ての人が伝える権利と義務を持っていて、全ての人が受け止める権利と資格を持っている。それを自覚して色々な方法を考えることが、持続可能な伝承活動になる」

青木代表

記憶と教訓を途絶えさせないための工夫が求められている中、青木さんはさらに、手話で伝承を行う語り部の育成なども行っています。